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日本古来の製鉄法 「たたら製鉄操業現場」見学のご案内

日本古来の製鉄法 「たたら製鉄操業現場」見学のご案内

2020年1月31日(金)〜2月1日(土)
2月7日(金)〜8日(土) の2回

 

 

來る2020年1月31日(金)〜2月1日(土)、2月7日(金)〜8日(土)と2回に亘り、(公財) 日本美術刀剣保存協会様の格別のお計らいで、ごく限られた人数ではありますが奥出雲の“たたら製鉄”操業現場見学の栄をいただくこととなりました。

奥出雲に復活された「たたら製鉄」は「ケラ押し」と呼ばれるもので、「美しく、折れず、曲がらず、良く切れる」と評される日本刀に不可欠の玉鋼(たまはがね)を作り出す、世界唯一、千有余年 の歴史を持つ日本独自の製鉄法です。

日本古来の製鉄法 「たたら製鉄操業現場」見学のご案内

たたら製鉄の大詰め
(撮影:松尾隆)

「たたら製鉄」は砂鉄を原料に木炭を燃料とし、粘土で構築された炉内の木炭に点火して鞴(ふいご)で風を送り、木炭の燃焼熱で砂鉄を還元して鉄を得ようとするもので、「ケラ押し」は炉底に高純度の和鉄、和鋼を含む「鉧(けら)」と呼ぶ鋼塊を造っていく製鉄法です。

従って、「たたら製鉄」では砂鉄や炭用の木材など自然の原料を大量に必要とするのですが、再生を基本理念に自然破壊を避け、又そのために過当競争を避けて来たのですから、「たたら製鉄」は今日でいう優れた環境産業で、しかも 1炎の勢いや色の変化など火を見る感性を重視、2ノロの状況など五感を駆使して複雑な変化を読み取り、臨機応変に対応して火の道に風を通す。ここには千年以上に亘って先人が培ってきた知恵と技、精神が大きく働いています。「たたら製鉄」には日本のモノづくりの原点が垣間見られます。この 「たたら製鉄」は江戸後期に最盛期を迎え、大正12年、その商業生産は高炉に取って代わられました。

炉の地下には、幅6.5m四方、深さ3mの木炭と砂利の層、排水溝他の構造物があります。地下の 湿気を除き、鋼が生成される炉底を高温に保つための大掛りな工夫で、よくこのような仕掛けを古代人は考え出したものです。

しかも「たたら製鉄」はローテクどころか、その鉄の不純物濃度は高炉銑鉄の1/10、銑鉄への精錬速度は高炉の16倍。しかもシリカやアルミナなどの不純物を生成しないのです。

1988年、先端技術を以ってすれば玉鋼は「たたら製鉄」に依らずとも出来るとの確信の下に実験が進められ、NHKでTV公開もされましたが、完全な失敗に終ったのです。このハイテクの時代、「たたら製鉄」の原理は今だはっきりとは未解明で、これに代わる製鉄法も生まれていないのです。

日本古来の製鉄法 「たたら製鉄操業現場」見学のご案内

たたら製鉄のクライマックス:釜崩し
(撮影:松尾隆)

なお今回、この度のコーディネーター・国立科学博物館 鈴木一義氏のご縁で、元奥出雲たたらと刀剣館々長 尾方豊氏の格別のご高配をいただき、約400年の歴史を持ち、出雲の鉄師(てっし)(たたら製鉄経営者)御三家の一家絲原(いとはら)家15代当主 絲原徳康氏のお招きをいただいて絲原家本宅を訪問。名勝指定の庭園を愛でながら、藩主お成りの献立帳からこの日のために再現された御料理を江戸時代から絲原家に伝わる膳や器を使っていただき、絲原氏から「たたら製鉄と絲原家の歴史、文化」を伺って往時を偲び、操業直後にもかかわらずご同席いただく国選定保存技術保持者木原明村下 (むらげ)を交えて団欒、更に刀匠を交え、直接手にしての日本刀鑑賞の場を持たせていただきます。

温故知新(真)、今後日本の“ものづくりの在り方”を考える千載一遇の機会として戴けたら幸いです。

とき

第1回:令和2年1月31日(金)~2月1日(土) (定員 10名)
第2回:令和2年2月 7日(金)~2月8日(土) (定員 10名)

訪問先

「日刀保たたら」 島根県仁多郡奥出雲町大呂529 電話:0854-52-1010

集合時間・場所

ご参考まで 12:00 出雲空港 国内線到着ロビー( ※バスがお迎えに上がっております。)
〔往〕東京方面から JAL 279便 羽田発 10:15 → 出雲空港着 11:45着
     出雲空港 11:45 →( ジャンボタクシー) 山形そば 13:20
   大阪方面から JAL 2347便 伊丹発 10:25 → 出雲空港着 11:15着
     新大阪 10:15 → 岡山 10:50
             岡山 11:04 → 生山(庄山) 12:40 →(タクシー) 山形そば 13:20
〔帰〕東京方面へ JAL 284便 出雲空港発 16:10 → 羽田空港着 17:25着
   大阪方面へ JAL 2357便 出雲空港発 18:10 → 伊丹港着 19:00着
   【JR利用】16:59 松江発 →(やくも26号) 19:38 岡山
                 19:53 岡山発 →(のぞみ60号) 20:38 新大阪着

スケジュール

【第1日目】 2020年 1月31日(金)・2月7日(金)

11:50    集合:出雲空港 到着ロビー
13:20 ~ 14:00 昼食 於:手打ち奥出雲そば店「山形そば」
14:15 ~ 15:30 ご講演「日本古来の製鉄法 “たたら製鐵”」
        (財)日本美術刀剣保存協会 たたら課長 黒滝哲哉氏
        会場:日刀保たたら(鳥上木炭銑工場)
        島根県仁多郡奥出雲町大呂529 0854-52-2010
15:30 ~ 16:30 「角炉」、「たたら操業大詰め」見学
17:00    「民宿たなべ」着 ※ 2 ~ 3 名の相部屋
        https://www.mountaintrad.co.jp › ~tanabe Tel 0854-52-0930
19:00 ~     会食・懇談(猪鍋/黒滝哲也氏ご同席)

 

【第2日目】 2020年 2月1日(土)・2月8日(土)

04:40    民宿たなべ 出発(バス)
05:20 ~ 06:30 たたら製鉄のクライマックス「釡崩し」見学
06:30 ~ 06:50 記念写真、宿舎に移動
07:20 ~ 08:30 帰宿後 入浴・朝食・チェックアウト
09:00 ~ 09:40 「鉧(ケラ)出し」見学
10:20 ~ 10:50 「出雲たたら刀剣館」見学 ※ 炉の地下構造など見学
11:30 ~ 13:30 出雲の鐵師(てっし)御三家の一家 絲原家本邸訪問
       出雲の鐵師(たたら製鐡経営者)御三家の一家 絲原家15代当主絲原
       徳康氏のお招きで絲原家本宅を訪問。名勝に指定された
       庭園を愛でながら、藩主お成りの献立帳からこの日のために
       再現された料理を当時のままの膳や器を使っていただかせてただき、
       絲氏からは「たたらと絲原家の歴史・文化」を伺って当時を往時を偲び、
       操業直後にもかかわらずご同席いただく国選定保存技術保持者木原明
       村下(むらげ)との団欒、さらに刀匠を交え、直接手にとっての
       日本刀鑑賞の場を持たせていただきます。
14:20 ~ 14:40 高殿建築「菅谷たたら山内( 国の重要民俗文化財)」見学
14:45 ~ 15:45 帰途、「たたら製鉄」の砂鉄採集「鉄穴流し跡」が見事な田園に
   生れ変っている現場を視察し、松江藩政の先見性に触れる。

コーディネーター

鈴木 一義氏
(独)国立科学博物館 産業技術資料情報センター長
「文化審議会文化財分科会世界文化遺産特別委員会ワーキンググループ」委員
「佐渡市金銀山遺跡調査世界遺産」委員
「ものづくり日本大賞」選考委員
経済産業省「ロボット大賞」選考委員

服装

☆現地は冷え込みますので、防寒のご用意をお願いします。
☆たたら製鉄の現場は、火の粉や粉塵が舞っています。
 そのため、第2日目のたたら 操業のクライマックス「釜崩し」では、各自、次のものをご準備下さい。
  ・フード付カッパ叉はフード付ブルゾン、フード付ヤッケ状のもの、或いは帽子
  ・ブーツ状スニーカー、叉はスノーブーツ状のもの(革靴は不可)、マスク、軍手、タオル

問合せ先

新経営研究会 担当:田中智子
office@shinkeiken.com
東京都千代田区麹町1-6-9DIK麹町804 〒102-0083

TEL: 03(3265)4341 FAX:03(3238)1791

申込書

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