SKYACTIV創出の時を振り返って

金井誠太氏

金井誠太氏

スカイアクティブ創出の時を振り返って

マツダ(株) 相談役 前代表取締役会長 金井誠実氏
2018年8月3日


2015年ビジョン――――世界一のエンジン!

人見エンジン(スカイアクティブ・エンジン)との出会い

「スカイアクティブ・エンジン」を取り巻くイノベーション

 二つの不安との戦い

 「全身オールニュー」―― 新エンジン搭載で一石三鳥

GOに踏み切るために不可欠だった0泊3日のフォード行脚

最後に
 クルマの常識をすべて根本から見直して挑んだ

企業存続をかけたSKYACTIVの創出、ものづくり革新

藤原清志氏

藤原清志氏

マツダ(株) 常務執行役員 研究開発・コスト革新担当 藤原清志氏
2015年7月15日


初めに
1.企業とは

2.マツダという企業の歴史、変革の背景

2─1歴史認識・存続危機からの脱出・救出

 原爆投下から僅か4ヶ月後、復興に向けて走っていたマツダの車

 第一次オイルショックと経営危機

 マツダの拡大戦略の失敗、フォードの統治下へ

 ブランドを強く意識することからスタートした、

 フォードによるマツダの再生

 従来の考えを一新し、新たなスタートとなった共通プラットフォーム構想


3.変革のスタート

3─1歴史認識:存続危機からの脱出・救出

 何としても広島にマツダを残す

 2001年、新生マツダがスタートし始めた年

 しかし、決して忘れられない辛く悲しかった年

 マツダの思いとSKYACTIV戦略をスタートした当時の時代背景

  当時、マツダにあった危機感

  独自のエンジンを持っていないと、いざというとき生きていけない!

  0泊3日の世界一周旅行

  独自エンジンの開発にフォードの了解を求めた必死の努力


 ダウンサイジングの流れの中で、何故SKYACTIVエンジンを選んだか

  陽の目を見ないでいた重大なエンジンコンセプト

  ─見えた! 新エンジン開発への決定的ポイント─

 普通は禁じ手

 エンジン、トランスミッション、プラットフォームを一度に変える

 今、変革の後を振り返って

 企業ブランドの価値・目指す姿を理解してもらう

 インターナルブランディング活動

3─2歴史認識:存続危機からの脱出・救出

 ハイブリッド・電気自動車でなければ無視された時代

 ビルディング・ブロック戦略

3─3 SKYACTIVの開発と並ぶ、

 今日のマツダを支える “モノづくり革新”

 一括企画・コモンアーキテクチャー 、そして

 フレキシブル生産方式を両輪とするモノづくり革新

 将来の日本を意識したビジョン、開発・製造のパイオニアへ!

 変革の前に立ちはだかる壁の破壊

 ─今日を生きる企業から、理想・Visionの実現を目指す企業へ─

 ブレークスルーへの飽くなき挑戦

  われわれが経験した最初の大きなブレークスルー

  コスト革新は技術革新と生産革新が要


4.イノベーションをリードしたもの

 4─1マネジメントの徹底した信頼とミドルの自発性

  エンジン部隊の大将に就任

  ミドルの活性化、自発性推進のための人事に手をつける

  外から血を入れない!潜在力の発揚、相互信頼の土壌づくり

 4─2 経営理念は経営の芯

 4─3 新しいコーポレートビジョン

  一時はHEV、EV一色の声に自信を失いかけた仲間たち

  自信を回復させた経営の芯

  共創の思い、輪の拡大

   “車づくりの思い” をお客様に伝え、

   勧めてくれるようになった第一線の販売現場


 5.今日の夢、明日の夢

 5─1日本を成熟した、文化度の高い国にしたい

  多様な独自の特徴が発揮され、世界に尊敬されて生きる文化国家

  日本のモノづくりのあるべき姿

  意味的価値を高めないと日本のモノづくりはダメになる─

   チームジャパンの必要性

 5─2 2020年はマツダの創業100周年

   ─皆に祝ってもらえる企業になっていたい─

   創業100周年にSKYACTIVにロータリーエンジンを!


Q&A

 SKYACTIV─D(ディーゼル専用車)を最初に出したのはなぜか

 意味的価値を生み出すコツはない 感覚は数値化出来ない

 フォードの至上課題はコモナリティ(共通化)

 グローバル大企業(フォード)が至上課題とするコモナリティへの疑問

 自動車づくりを見ない?で自動車事業を経営しているアメリカ企業

 時代遅れと侮ってはならない、

 「擦り合わせ技術」とは日本のものづくりの特徴で強さ

 SKYACTIV開発の根底にあった危機感と挑戦意識を如何に維持していくか

 生産現場と生産技術、開発間の垣根が取れた経緯は?

 ブレークスルーへの道 それは先ず答えは必ずあることを信じさせ、問題の

 本質をしっかり掴ませ、それを信じさせて最後まで取り組ませること

 何が人間にとって大切なものであったかを考え、

 提案していく、そのような生き方を余生としたい


HEV EV一色の中で挑んだSKYACTIVエンジンの開発

人見光夫氏

人見光夫氏

マツダ(株) 常務執行役員 パワートレイン開発担当 人見光夫氏
2015年2月10日


はじめに

SKYACTIV開発までの経緯

なぜハイブリッドや電気自動車でなく内燃機関だったのか?

技術開発

 限られた人と予算で取り組む難題解決

 開発陣の陣容

 先ず描いた内燃機関の究極の姿

究極の内燃機関へのステップ

SKYACTIVガソリン

  世界一の高圧縮比の実現

  思い切り大きく振ってみないと新しい発見は生まれない

  高圧縮比で低中速トルクを大幅に向上

  何故ダウンサイジングをやらなかったか

SKYACTIVディーゼル

  低圧縮比化の効能

  低圧縮比化の課題対応

マツダのガソリン車は米国で高評価、

    ディーゼルの実用燃費はハイブリッド並み

  まとめ

Next Step発

  内燃機関への究極のステップ

  内燃機関主体で電気自動車並みのCO2レベルは可能


Ⅱ プロセス革新

CAE強化による開発

30人でどう頑張ったか

CAEの能力強化が開発の一番ピンと判断

一括企画、一括開発

品質の考え方



最後に Q&A

今わかった、エンジン技術でトヨタがマツダに負けた理由

今後の燃料をどう予測し、エンジンをどう引っ張って行こうとしているか

低圧縮比ディーゼルの創出時、エンジン音など、どんな味付けを考えたか

圧縮比の変化で振動はどうなるか

圧縮比とノックの問題

出来ないという人が減った最大の原因は何であったか

「本質は何か」 、を絶えず問い続けてきた今日への歩み

圧縮比を下げる発想で、どのような新たな工夫があったか

コモンアーキテクチャーという思想は、どのように社内で定着されたか

伝統の文化と先端技術

日本独自のクルマ文化を生み出したい!

 燃費がいいだけの車なんかマツダが作っても意味はない
─日本人の一番いい特性を車に籠める─

日本人だからこそ配慮出来る、絶対に優しい車

人々心のエンジンと誇り

地域との心の通いと一体感、同志的結合

人々のやる気と誇りと心の結集

マツダは、次にディーゼルエンジンのどこをいじるか

目標に対してリソース不足と期限切れに妥協は一切なかったのか

SKYACTIV─R(ロータリー)はあるか

SKYACTIVのデザイン開発、マツダデザインの美学

前田育男氏

前田育男氏

マツダ(株) 常務執行役員 デザイン・ブランドスタイル担当
 前田育男氏
2016年3月28日


はじめに

自己紹介

  根っからの車好き

  美しい道具、尊敬を受けるプロダクトデザインを作りた

マツダの新しいザイン戦略

魂動=「命あるものの動きの美しさ」をマツダ・デザインの哲学に

設計の最終段階で「魂動」デザイン最初のモデルを根本からやり直し!

マツダデザインの美学

  小粒でも光るブランド

  製品ではなく、感動を生む命ある作品

  ─命ある形の具現化の決め手は、骨格、フォルム、そこに映り込む光の質とリズム─

  生きた表情

  それぞれの動体物が持つ理想的骨格

  商品・製品の域を超え、アートへの昇華を本気で目指して

  ─頼れるものは基本、人の技、志だけ─

  全員で、アートレベルのクオリティーの高い、

       “美しいものづくり”を執念で生み出す


クルマがアートであるために

クルマが美しくあるために

─大量生産であってもアートを目指す─

デジタル化と自動運転

デジタル思考とアート思考

世界で最も美しいと言われる名車の数

マツダ流のアート思考

─ロードスターの原型・「凛(りん)」と「艶(つや)」─ 

車がアートであるために挑戦しているその他の試み

 車に近い道具・自転車のデザインに挑戦

 マツダのものづくりの本質と今後の歩むべき道を求めて

  漆芸家 金城一国斎(きんじょういっこくさい)氏との出会

  鎚起銅器 玉川堂主人 玉川基行氏との出会い

  マツダを支えている美意識を世界に


今後マツダの歩むべき道

 アーティストとエンジニアが一体化した開発風土へ

 マツダのデザイン様式の確立へ

 世界におけるマツダの評価

日本の文化・美意識をグローバル化時代の拠りどころに

 日本の掛け替えのない財産は繊細な感性

 ひたすら車の魅力の回復と、日本の美意識を求めつづけて

  ─モスト・ビューティフル・カー・オブ・ザ・イヤー受賞 RX─VISION誕生秘話─


Q&A

引き算のデザインとはどういうものか

三次元のフォルムを最重視するマツダデザインの太い柱

プロポーションの美しさでは随一のジャガーEタイプ

自然の美とその精緻さの素晴らしさ

それを美しく在らしめている、隠されている真理

デザイナーとエンジニアの共創文化が生まれた経緯

ファミリーカーを考える場合、箱型車も止む終えないのではないか

デジタル化時代に車はどうなるか、TVと同じような道を辿ると思うか

マーケットシェアでなく、「絶対マツダ」と言ってくれる人を増やしたい

日本独自の美しさ 背景を伝える日本発の情報発信のコアとなって欲しい

自動運転の時代にデザイナーとして対応するものはあるか

後継者をどう考えているか

たロータリーエンジンと電気自動車の将来

ガソリンエンジンと電気自動車の今後

様々な技術者やデザイナーを共創に取り組ませる核心は何か

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