時代を先導する挑戦と現場に触れる

2023年11月29日(水)

【訪問見学先】 日本アイ・ビー・エム(株) 川崎事業所
        新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター
【ご講演】日本アイ・ビー・エム(株) 副社長 執行役員 CTO 森本典繁 氏

『量子コンピュータが開く新たな世界、IBM社のヴィジョン』

森本典繁氏
森本典繁氏

 再開「異業種・独自企業研究会」第4回例会は、「新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター(NANOBIC)」をお訪ねしてIBM社開発の量子コンピュータを直に拝見させていただき、日本アイ・ビー・エム(株)副社長 CTO 森本典繁氏をお囲みして「量子コンピュータが開く新たな世界、IBM社のヴィジョン」をテーマにご講演いただく機会が近づいて参りましたので、詳細のご案内を申し上げます。

 量子コンピュータは、「従来型コンピュータで解を得るには膨大な時間を要する問題でも、桁違いの短時間で解を得られる可能性がある」ため、今、様々な分野で活用が期待されています。
 なかでも量子コンピュータは、量子化学計算、機械学習、量子シミュレーションといった分野が得意で、 具体的には新薬開発や新素材(材料)開発、人工知能(機械学習)の深化、金融や災害対策シミュレーションなどの分野では爆発的な効果が得られる(Wikipedia)、といわれています。

 IBM社が量子 5ビット ゲート型量子コンピュータ(世界初)を発表したのは2016年。翌年、16量子ビット「IBM Q」を発表。クラウドに依る提供開始。2021年、東京大学とIBMはクラウドで利用可能の日本初 商用量子コンピューター「IBM Quantum System One」を新川崎「創造のもり かわさき新産業創造センター(NANOBIC)」に設置、運用してきましたが、2023年、新たに127量子ビット「IBM Quantum Eagle」プロセッサ搭載の「IBM Quantum System One」を設置。現在、127量子ビットプロセッサ搭載の IBM 量子コンピュータが稼働しているのは、世界で北米と日本だけ、ということです。

 今回拝見させていただくのは “IBM 127量子ビット Eagleプロセッサー搭載の量子コンピュータ” です。
 IBMは昨年 433量子ビット “Osprey” プロセッサーを発表。2023年秋には 1121量子ビット “Condor” 搭載の量子コンピュータがリリースされると伺っています。
 量子コンピューターの技術は、今、驚異的速度で進歩しています。

IBM開発の量子コンピュータ

 日本でも今年2023年3月、日本のオリジナル量子コンピュータが理化学研究所 量子コンピュータ研究センターでクラウド活用で稼働開始。2023年10月、この国産量子コンピュータ初号機の愛称が「叡(えい、英語表記は”A”)」と決定したところです。「叡」は聡明さを表し、情報処理における卓越性・先進性を表すと共に、英語名をアルファベットの最初の文字 "A" とすることで国産量子コンピュータ初号機であることも表現している、ということです。
 更には日本が産み、「量子アニーリング」理論を応用した、東京工業大学教授 西森秀稔氏による「量子アニーリングマシーン」が、今、世界の注目を集めています。

 量子コンピュータ技術の活用は「Winner takes all(勝者総取り)」と言われ、その進展は経済、社会に大きなインパクトを与えると言われていて、日本でも独自の取り組みを通して「世界に先駆けた量子コンピューターの社会実装」推進の戦略的重要性が認識され始めています。

 今回、IBM 量子コンピュータを直接目の当たりにさせていただいて、日本IBM(株) 副社長 森本典繁氏から「量子コンピュータの未来と可能性」についてご高見をご披瀝いただき、併せて「IBMの将来ヴィジョン」を伺わせていただきたく願っております。

 先にお届けした今回の趣旨と概要について、「1993年、IBMはアメリカン・エキスプレス元会長 CEO、ナビスコ元会長 CEO ガースナー氏を会長 CEOに迎え、メインフレーム主体の事業から黎明期のクラウドを活用してIT事業に挑戦。驚異的短期間で黒字転換。崖淵からの生還を果した。この経緯は大きな教訓として今日に語り継がれているのはご案内の通り。そして世間では、IBMは製造業からソフト事業へ、ものづくり企業からコトづくり企業に転身したと喧伝されている。しかし、注目すべきは、1993年、あの80億ドルという前代未聞の巨額累積赤字に陥り、会長 兼 CEOにガースナー氏を迎えて驚異的業績回復を成し遂げ、しかも2016年の量子コンピュータ発表を経て2021年に至る28年間、IBMは特許出願数で常に世界一であり続けていた、という事実です。そして、この度ご講演願う日本IBM 副社長 CTO の森本典繁氏は、「IBMは技術開発とものづくりの重要さを一度も忘れたことはない。」また「IBMが製造業からソフト事業への転換を考えたことなど一度もない。IBMは製造業から一度たりとも離脱していない」と力説されている。」とご紹介しましたが、今、日本の製造業がかつての輝きを失い、自信を失いかけているやにも見えかねない今日、IBM 社が 今 挑もうとしている企業ヴィジョンを改めてご披瀝願い、例えば所謂 “GAFAM” とその“企業理念とヴィジョン”、その “目指そうとしているもの” がどう違うのか、を含めて改めて伺わせていただき、“今後日本の製造業が今日を生きる独自の道を見出し、再び輝きを取り戻していくための在り方と方向”について、熱いディスカッションを交わしていただきたい、と願っている次第です。

 皆様の、積極的なご参加を願ってやみません。(新経営研究会 代表 松尾 隆)

日程・概要

【日 時】2023年11月29日(水)13:00-18:00
【訪問先】日本アイ・ビー・エム(株)新川崎事業所
     新川崎 かわさき新産業創造センター
     AIRBIC 会議室1-4
     川崎市幸区新川崎7-7
【集 合】13:00 講演会場:AIRBIC 会議室 1-4
【テーマ】「量子コンピュータが開く新たな世界、
      IBM社のヴィジョン」
【講 演】日本アイ・ビー・エム(株)
     副社長執行役員 CTO
     森本典繁氏
【チェアマン】
      前(独)国立科学博物館
      産業技術史資料情報センター長
      経済産業省「ものづくり日本大賞」選考委員
      経済産業省「ロボット大賞」選考委員
      世界文化遺産特別委員会 委員
      鈴木 一義 氏
【締切】2023年11月17日(金)
【連絡先】 新経営研究会 担当:田中
     TEL: 03(3265)4341
  

スケジュール

  • 13:00-13:05 ご挨拶・新経営研究会
  • 13:05-13:20 ご挨拶と会社紹介 日本IBM
  • 13:20-14:45 ご講演とQ&A
  • 14:45-15:00 休憩と見学への移動
  • 15:00-16:00 実機見学
  • 16:00-16:45 全体を通してQ&A
  • 17:00-18:00 ライトパーティー
  • 18:00     解散

     ※スケジュールは変更になる場合もございます。   

訪問先 地図

AIRBIC 会議室 1-4
☞こちらからご確認いただけます
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