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新時代の創出を先導するヴィジョン、夢ある挑戦、次代を拓くイノベーション...

WHAT'S NEW

  • 「新経営研究会 発足41周年記念 賀詞交歓会」が、去る2023年2月2日、盛会裏に挙行されました。
     その折の模様をご覧いただけます。(Googlephoto)
  • 「イノベーションフォーラム」 2023 前期スケジュールを発表しました
  • 「プレジデント・オンライン」に2020年8月に開催された「異業種・独自企業研究会」の記事が掲載されました 
     掲載日:2021年07月2日 是非ご覧いただけると幸いです ☞☞こちらから

  • 新経営研究会発足40周年記念講演会
    開催内容
    本会は全6回と追加講演を含め全7回の講演も2022年12月成功裡に終わりました。
    今回残念ながらご講演にご参加いただけない方には、「動画配信サイト」にてご視聴いただけます。
    こちらから(5,000円/回)

    ご不明な点がございましたらお問合せください。

    予告

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    イノベーションフォーラム21

    2023-04-14

    《講 師》パナソニックホールディングス(株)
          マニュファクチャリングイノベーション本部長 小原 英夫氏
     《テーマ》 GX/DX時代におけるパナソニックのモノづくり革新
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    《ご挨拶》 感動的出会いを開く‼︎  新経営研究会のVision


    代表 松尾 隆

     去る1982年、同志が相語らい、急変する企業環境と科学技術本流の画期的変化が始る中、 各企業がそれぞれの特徴を発揮し、日本独自の技術・製品開発と独自の企業価値の創出を求め合っていこうと、主としてわが国製造業の経営トップ、当時の技術開発と“ものづくり”の中心にあった役員・幹部、そして私たちの問題意識にご賛同いただいたアカデミアの方々や匠と言われる方々が産業・専門分野横断的に交流、相互啓発し合える機会と場の必要を痛感し合って発足いたしました弊会は、今年、お陰をもちまして、新たな発足ともすべき、発足41周年を迎えさせていただきました。

     これもひとえに、これまでいただいて参りました皆様の厚いご支援の賜物で、関係者一同、改めて深甚の感謝の念を表するばかりです。


     さて、この様な今日、是非、皆様にご紹介させていただきたい言葉があります。

     一つは1916年(大正5年)、インドの詩聖 Rabindranath Tagore(ラビンドラナート タゴール:1913年 アジア人初のノーベル賞受賞者)が初来日の折、慶應義塾大学で「日本の精神」と題して行った講演の一節です。


     「日本が自分の偉大さを認識することを怠ろうとする、正に差し迫った危機にあるかに見える今日、その日本に、日本は一つの完全な形式を持った文化を生んできたのであり、美の中に真理を、真理の中に美を見抜く視覚・文化を発展させて来た、そのことを再びあなた方(日本の方々)に思い起こさせることは、私のような外来者の責任であると思います。日本は、明確で完全な何ものかを樹立して来たのです。それが何であるかは、あなた方ご自身よりも、外来者である私たちの方がもっと容易に知ることが出来るのです。それは紛れもなく、全人類にとって貴重なものです。それは多くの民族の中で日本だけが、適応の力からではなく、その内面の魂の底から、自ら生み出して来たものなのです。」


     タゴールは、「日本は美の中に真理を、真理の中に美を見抜く視覚・文化」を育んできた。それが世界にとってどんなに貴重なものか、日本はもっと自覚してほしい、と言ってくれたのです。


     このタゴールの言葉に私が初めて出会ったのは、1968年12月、日本人として初のノーベル文学賞を受賞した川端康成が1969年に著わした「美の存在と発見」においてでした。


     私は、日本は世界で最も優れた文化を持つ国だ、などと言っているのでは勿論ありません。


     嘗て岡倉天心は、当時、民族の誇りと自信を失いかけていたベンガルの若い世代の精神に、「全ての民族は、その民族が生み出し、培って来た、その民族ならではの掛け替えのない魂と文化的資産を持っています。そして、それぞれの民族は、この自らの中にある魂と文化的資産の最上のものを世界に現わす義務を持っています。あなた方ベンガルの若い世代は、あなた方にとって掛け替えのない富である自国の文化的資産と魂を、目先の損得を超えて、他の世界へ送る豊かさを持たなければなりません。何も現わさないということは民族的な罪悪と言ってよく、死よりも悪いことであって、人類の歴史において許されないことなのです。」と、渾身の想いを籠めて訴えてくれたと、 タゴールはこの慶應義塾大学での講演で、天心への心からの感謝の念を籠めて、その時の天心の言葉を私たち日本に紹介してくれたのでした。


     そして、私が心から尊敬してやまない日本の工業デザインの草分け 故榮久庵憲司先生は、その主著“幕の内弁当の美学”の中で「工業の成熟を想う時、数をこなす必要がある料理“幕の内弁当”に、“効率”と同時に“美”が最優先されたことは余りにも学ぶべきことが多い。」と述べておられますが、このお言葉は今でも私の胸中深くで脈打っています。


     私たちは今、今日のあらゆる機器/システム/情報関連分野を牽引し始めたIoTやAI技術などデジタル技術、今まで未知であった世界を開き始め、核心に入り始めた今日の生命科学など生物科学、顔を覗かせ始めた次代を牽引すると思われる量子科学技術など、科学技術本流の画期的変化の時代を迎え、加えてカーボンニュートラルなど環境と資源・エネルギー問題、更には今世紀最大の根本問題といわれる、人間の多様な文化の生死に関わる21世紀の新たな本質的諸問題に直面して、その対応に迫られています。


     私たちは“いのち”という深いところで相呼応する日本独自の“美意識”を基盤に、日本独自の技術・製品開発と独自の企業価値の創出を皆様と共に求め続けて参りたい。


     それは同時に、日本は如何にして、日本が生み出した日本ならではの“技術力”と”ものづくり力”、独自の”企業価値”を如何に”グローバル競争力”に転換し、更には”グローバル貢献力”として世界に発信していけるか、を問われていることでもあると私は確信しています。


     そして、新経営研究会の歩むべき道の“命(いのち)”は、“感動的出会い”と“原点と本質に立ち返って深く考える機会と場”、“夢とヴィジョンを語り合える、産業・分野横断的な出会いの機会と場”の創出と信じて、今後とも邁進して参りたいと願っています。


     皆様の一層のご支援をいただけましたら、これに勝る喜びはありません。(新経営研究会 代表 松尾 隆)