新経営研究会[FMT] » INNOVATION FORUM21 » 2011 後期スケジュール » 環境車輛用高性能リチウムイオン電池の研究開発、大型定置用二次電池への期待

開発者本人が語る「明日の技術・製品開発と独自の企業価値創出研究会」

これまでの発表事例

2011年9月28日(水)

日産自動車(株)先端材料研究所エキスパートリーダー
東京大学 生産技術研究所特任教授 堀江英明 氏

『環境車両用高性能リチウムイオン電池の研究開発』


 日産自動車入社後、しばらくは鉛蓄電池やニッケルカドミウム電池に携わっていたが、1990年にソニーがリチウムイオン電池(LIB)を発表。これを見た堀江氏は、当時自動車メーカーが競って開発を進めていたニッケル水素電池よりLIBの方が性能劣化も少なく

、充放電が安定、しかもエネルギー密度がニッケル水素電池に比べて高く、車への応用性が高いと判断。LIBは必ず自動車の将来を制する時代が来ると確信。1992年、日産はLIB一本に絞り、ソニーとの共同開発を始めた。1996年、日産は世界初のLIB搭載車「プレーリージョイEV」を発表。2003年のモーターショーに出展した電気自動車用モーターと小型LIBがその出力性能で反響を呼び、これを機に自動車企業各社のLIB開発が本格化した。この一連の指揮を執っていたのが堀江氏。氏は、LIBは今後広範な領域でエネルギー供給の中心となる可能性を持ち、今後、様々な環境技術を束ねる‘ハブ’になる可能性を持つという。今回は、高性能蓄電デバイスとして環境車両用高性能LIBの研究開発を振り返ると共に、今後出現して来るであろうリニューワブル・エネルギー利用のための定置用電池の可能性についても触れていただく。

ご講演の骨子

1.二次電池の特性と車両適用における要件
  1-1 二次電池の基本的特性
  1-2 高性能環境車両に求められる要件
2.電気自動車用LIBの研究開発
  2-1 必要とされるエネルギーの見積もり
  2-2 必要とされる出力とは
  2-3 システムの安定性からみた二次電池への要件  
  2-4 熱的設計は不可欠
3.ハイブリッド電気自動車用高出力LIBの研究開発
  3-1 ハイブリッドには出力特性が求められる
  3-2 LIBにおける出力特性の向上
  3-3 熱設計  
4.高容量電池材料の研究開発
  4-1 高容量からみた電池の特性
  4-2 高性能材料の研究開発
5.大型定置用電池は実現するか
  5-1 リニューワブル・エネルギーへの二次電池の利用
  5-2 どのような電池仕様となるか
  5-3 大型定置用二次電池への期待

プロフィール

  • 1985年 東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻 理学修士修了
  • 1985年 日産自動車(株) 入社、総合研究所配属
  • 1990年 EV・HEV用高性能電源システムの研究開発に従事
  • 1999年 東京大学 工学博士
  • 2005年 主管研究員
  • 2007年 日産自動車(株)退職、東京大学人工物工学研究センター准教授
  • 2010年 日産自動車(株)再入社、EVエネルギー開発部
          エキスパートリーダー
  • 2010年 東京大学 人工物工学研究センター 客員研究員兼務
  • 2011年 東京大学 生産技術研究所 特任教授兼務
  • 2011年 日産自動車(株)先端材料研究所 エキスパートリーダー
 《主な著書・論文》
  リチウムイオン電池ー基礎と応用(培風館)
  A Study on an Advanced Lithium-ion Battery System for EVs 
  (WEVA journal vol.2)Research and Development Work on High-
  performance Lithium-ion Batteries for EV Application
  (the Society of Automotive Engineering SAE08PFL-257(2008))


会場

東京理科大学 森戸記念館 1階 第2フォーラム
東京都新宿区神楽坂 4 - 2 - 2
Tel. 03 - 5225 - 1033

スケジュール

  • 13:30-14:30  ご講演(前段)
  • 14:30-15:00  ネットワーキング・ブレイクタイム
  • 15:00-16:00  ご講演(後段)
  • 16:00-17:00  Q&A
【コーディネーター】
放送大学 名誉教授 森谷正規氏 
バイエルホールディング(株)シニア技術コンサルタント 松井悦郎氏
 


会 場


大きな地図で見る

ページトップ