第1章

N700Aに至る東海道新幹線の開発の軌跡

東海旅客鉄道(株) 代表取締役副社長 森村 勉氏


森村勉氏
最新の研究開発の成果新型・高性能新幹線N700Aの概要

N700Aの5つの特徴

短距離作動地震ブレ-キの装備

定速走行装置による自動列車制御

台車振動検知システムによる故障の未然防止


東海道新幹線が挑んで来たイノベ-ションと今後の可能性

東海道新幹線誕生の3つの基本コンセプト

東海道新幹線の安全性と安定性を支えた高速鉄道専用軌道

列車遅延時間平均20秒を実現しているコムトラックと人間の意識

ヨーロッパより大きい東海道新幹線の車体幅

車両の変遷、騒音・地盤振動抑制対策として力を入れた軽量化

鉄道分野以外の技術進歩から受けた大きな恩恵

新幹線は極めつきの省エネ運輸手段


東海道新幹線の進歩の軌跡

安全・安定に不可欠なシステムのハ-ドとソフト面(人間の意識と技量)の一元管理

15年かかって日の目を見る投資効果とその間に不可欠な一元経営

システムの一元管理体制を維持出来たのが国鉄民営化成功の鍵

東海道新幹線と海外高速鉄道との違い

東海道新幹線の最近の研究開発

同じ巨大システムでも、原子力、航空宇宙とは大きく違う開発手法

世界唯一の車両運動総合シミュレータと

大地震を模擬経験出来る車両走行試験装置

本物の橋梁を使う疲労・破壊実験


東海道新幹線の最新地震対策技術

脱線防止への本格的研究の発端となった中越地震

中越地震で上越新幹線を震度6で脱線横転させた未知の現象と原因

東海道新幹線N700A

内陸直下型と海洋型地震に対応出来る地震対策

脱線防止ガードの取り付けと保守作業時への工夫

5年を要した地震による脱線・逸脱防止対策

私が関与した脱線・逸脱防止対策

中越地震以降の新しい地震対策の実施

世界初の状態監視システム


Q&A

多様な情報検知・測定とセンサーの役割

車両単体でなく、トータルシステムで展開したい新幹線の海外戦略

アメリカに働きかけている新幹線のトータルシステムの導入

気圧変動による不快感への対応と、先端車両ノーズの形状の背景

鉄道の設備・研究開発投資の基本は安全投資

巨大な安全投資の原資はどのようにして可能となっているのか

騒音を減らしたパンタグラフの数の削減と架線とのマッチング

抽象概念ではなく、先ず自国の社会が求めるものをつくる

自国仕様の海外での普遍性よりも、重要なのは進出先の人間・人材の問題


第2章

東北新幹線の高速化とE5系“はやぶさ”の開発にかけた夢

東日本旅客鉄道㈱ 車両技術センター長 田島 信一郎氏 2012年5月15日


田島 信一郎氏
車両開発と高速化へのアプローチ
JR東日本の新幹線車両と海外展開
新幹線ネットワークと3タイプの新幹線車両

営業最高速度時速320㎞は経営上の判断

営業車としての仕様の適正化

コンセプトは「やさしさ」そして「セキュリティ」

グランクラスの座席は高級車の座席がベース

小さなお子さんがよろこぶ車両を創り出す


JAXAの「はやぶさ」とは偶然の一致

中越地震の経験が活きた地震対策

高速鉄道は経験工学で、実績を積み上げて次ぎのステップへ

東北新幹線”はやぶさ”
国の文化、社会に深くかかわる鉄道の海外進出

Q&A

軽量化が良いことばかりとは言えない海外の事情

中国の大事故の原因は

車両メーカーは、JRと組む以外に道はない

厳しい衝突安全基準にどのように対応するか

新幹線もガラパゴスではないか

日本の新幹線の素晴らしさはどこにあるのか


第3章

鉄道発祥の地 英国鉄道市場への挑戦

㈱日立製作所 交通システム社 技監 鈴木 學氏 2013年1月18日


鈴木 學氏
日立における鉄道ビジネスの歴史と技術開発

日立の鉄道ビジネスの歴史と概要

鉄道車両の発展

海外発展を可能にした技術


英国市場への挑戦

英国鉄道市場の特徴

英国鉄道市場への参入の動機

英国鉄道市場に参入、2度にわたって失敗

ようやく優先交渉権を獲得した英国高速鉄道CLASS 395

 CLASS 395の技術・プロジェクト管理での挑戦

 エリザベス女王ご夫妻のご臨席をいただいた車両基地の開所式

 CLASS 395 プロジェクト成功のキーポイント

英国都市間高速鉄道 Intercity Express Program

 IEPプロジェクト参画の経緯と優先交渉権獲得後の紆余曲折

正式営業開始(2009年12月)

 IEPプロジェクトにおける日立の事業内容

ネットワークレール社向け運行管理システム

日立の英国における今後の展開


変貌する世界市場への対応

国内市場動向

公共投資としての巨大プロジェクト需要

欧州鉄道産業界の動向

これから驚異となる中国メーカーの圧倒的な台頭

ビジネスモデルの変化

 国レベルでの上流段階からの事業参画が不可欠な時代

 民間資金活用による鉄道整備

 新興国を中心とした鉄道整備


おわりに

Q&A

英国での鉄道事業の推進で、文化的な差を感じることはあったか

欧州における部品調達

リニアモーター車両について


まとめ 

放送大学名誉教授 森谷正規


個の技術と場の技術

文化の違いを克服する

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