開発者本人が語る「明日の技術・製品開発と独自の企業価値創出研究会」
最近のプログラム
2017 プログラム
- 5月18日(木)
- 『人工知能の現状と可能性、ディープスタディーの先にあるもの』
- 東京大学 大学院 工学系研究科 技術経営戦略学専攻 特任准教授 松尾 豊 氏
人工知能搭載車 ホンダEV コミュータ
氏は、今、最もホットな分野「人工知能」研究の最先端にいるトップランナー。人工知能を使ってウェブを賢くすること、ディープラーニングを始め、新しい人工知能技術で大きなブレークスルーを生み出すことを目指している。松尾研究室が開発協力している日本最強の囲碁ソフト「Deep Zen GO」が、「第2回囲碁電王戦」でプロ棋士・趙治勲名誉名人と対局した。人工知能は急速に進化し、社会を変えつつある。AIは何をどこまで可能とするのか。
- 6月6日(火)
- 『車の電動化、FCV初期市場の創出、水素社会を目指して』
- トヨタ自動車(株) 先進技術開発カンパニー 先進技術統括部 主査 河合大洋 氏
トヨタ燃料電池車の仕組み
内燃機関車が大量普及した20世紀から21世紀に入り、エネルギー・環境問題が顕在化し、車両電動化の動きが活発化した。電気自動車(EV)と燃料電池自動車(FCV)は、「エネルギー多様化」「走行中ゼロエミッション」「走りの楽しさ」が特徴。FCVは更にガソリンエンジン車同等の「使い勝手(航続距離、燃料充填時間)」も有る。水素社会(再生可能エネルギーとCO2フリー水素活用による人と自然が共存する未来)に向けFCV「MIRAI」で第1歩を踏み出した。
- 7月4日(火)
- 『今 ”はやぶさ” を振り返って...、今後日本が挑む宇宙開発』
- JAXA シニアフェロー宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系 教授 川口淳一郎 氏
はやぶさ想像図
「はやぶさ」は日本の科学技術の粋を結集して2003年5月に打ち上げられ、2010年5月、7年・60億kmの旅を終え、日本人の心に深く大きな感動を呼んだ小惑星探査機。世界初のイオンエンジンを搭載、小惑星イトカワで科学探査と世界初のサンプル採集を試み、地球帰還に進路を取ったが、途中、通信途絶、エンジン全損など満身創痍で一時は行方不明になる。余りに多くの教訓を残した事例。
- 8月25日(金)
- 世界唯一の超技術『ナノを目指す超仕上げ』
-Stone Lapping 加工と今後の開発展開- 西部自動機器(株) 上席技術顧問 堀 捷樹 氏
- 同社 生産部副部長 上地満洋 氏
全自動芯無外径超仕上盤
同社は世界に類のない秀れた技術を集積した、世界唯一のエアー・ベアリングを装置の心臓部に装備し、自動車、航空機、建設機械、風力発電、精密機器、スマートフォン、光通信、医療機器等、世界中のあらゆる産業分野で貢献している、世界的独創企業。表面粗さ5nm、真円度60nmの形状精度が得られ、仕上面もナノレベルの超仕上が得らる。「最高水準の価値ある技術開発」をスローガンとする、文字通り掛け替えのない独創的企業。
写真上:堀 捷樹氏
写真下:上地満洋氏
- 9月7日(木)
- 『生物に学ぶ先端技術の未来』
- 東京大学 教授 先端科学技術研究センター所長 神﨑亮平 氏
昆虫操縦型ロボット
昆虫のセンサーや脳の研究を通して、驚異的性能のセンサーや処理回路を開発する。そのような研究に取り組んでいるのが神崎亮平氏。生物は殆ど無意識の世界でセンシングし、行動している。氏の研究は、その昆虫の脳や優れた能力でロボットを動かし、昆虫の能力を人間社会に還元、また昆虫の脳から人の脳を明らかにしようとするもの。氏は、AIに加え、昆虫のセンサー、脳処理の仕組みの活用で広がる可能性を指摘する。
- 10月24日(火)
- 『IoT時代のモノづくり革新、グローバルマザー工場への変革』
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パナソニック(株) 生産技術本部本部長 小川立夫氏
パナソニックエコシステムズ(株) 品質・モノづくり推進室 室長 松本宜久氏
パナソニック春日井工場
パナソニックはグローバル生産拠点の最適化に向け、国内生産拠点を春日井に集結。独自のIoTによる予兆管理など生産革新を進め、ビジネス全般に及ぶプロセス革新に取り組んでいる。しかし、今のようなIoTの追求の仕方ではいつか必ず破綻する、パナソニックならではの商品、サービスとは何なのか、ここを深掘りしていくべきだと自らを戒める。創業99年目、時代の大きな転換期に立つパナソニックの“ものづくり戦略”と実践を伺う。
■■ 春日井工場(Good Factory賞受賞/2016)見学を含む ■■
写真上:小川立夫氏
写真下:松本宜久氏
- 12月19日(火)
- 『金属3DプリンターとSOLIZEの今日の挑戦』
- SOLIZE(株)取締役会長 古河建規 氏
金属3Dプリンター
SOLIZEは、ものづくりのデジタル化技術導入で製品開発の進化を牽引してきた。自動車産業を中心に様々な産業において、グローバルに3D設計・解析エンジニアリング業務を請け負うと共に、自動車の電動化や自動化が進む中、MBD(Model Based Development) を推進。また、当社は3Dプリンターの国内最大級の保有台数を誇り、ものづくりを根本的に変えてしまう可能性を秘めた金属造形事業に注力している。ものづくりで培ったエンジニアリングと、暗黙知を形式知化しながら経営変革を実行する変革力の融合によりお客様への価値の最大化を図っている。
- 1月31日(水)
- 『5Gテクノロジーで大変革する超高速ネットワーク』
- 大阪大学 電気電子情報工学専攻 教授 三瓶政一 氏
5G時代の社会変革
5G(第5世代移動通信システム)でネットワーク関係が大きく革新されよ うとしている。氏は第5世代モバイル推進フォーラム技術委員長。インテ リジェント無線伝送方式研究の第一人者。セルラシステムの基本要素・ 適応変調技術を世界に先駆けて開発。5Gは今日と桁違いの超高速・ 大容量、超多数端末接続、超低遅延、超高信頼性を高め、インダストリー 4.0やIoTニーズに対応しようとしている。5Gで可能となる変革を考えたい。
- 2月16日(金)
- 『AI・IoTの時代 今 改めて注目すべき日本の世界最高峰の超高度加工技術』
- (株)シルバーロイ代表取締役社長 高見千秋 氏
同社加工の超硬合金部品
同社は、超硬合金の技術開発に全てをかけて来た企業。新素材開発、 世界最高の品質の均一性、加工技術に取り組み、φ0.08mmの孔開加工 や0.05mmの研磨取代など、画期的超硬合金加工技術を開発して、世界 最高の評価を得ている異色企業。圧倒的な製品能力を持つ。AI、IoTと いう風潮に気をとられ、日本がこれまでに培い、切り開いて来た世界最 高峰の独自技術に気付かないと、日本は取り返しのつかないことになる。
■■ この回は兵庫県加西市の同社工場を実際に見学させて頂きます。■■
- 3月15日(木)※3/14より日程変更となりました
- 『ARMが挑む技術・製品開発戦略、今後へのヴィジョン』
- アーム(株) 代表取締役社長 内海 弦 氏
インテルを超えて拡大する成長企業
同社は、省電力設計と高セキュリティ通信を実現する技術力、半導体製造企業に対して設計図のみを提供すると独自のビジネスモデルを確立し、米インテルに匹敵する半導体産業の中心企業の地位を固めつつある、英国半導体設計メーカー。2016年7月、ソフトバンクが3.3兆円強で買収。孫氏は、これで 「IoT」 時代への布石は打てたと話す。曾て世界でインテルがデファクトスタンダードを握ったように、今後はアームだと孫氏は言う。
- 4月12日(木)
- 『モーション・コントロールの更なる高度化を求めて 』
- (株)ハーモニック・ドライブ・システムズフェロー(最高技術責任者)執行役員 清澤芳秀 氏
火星探索機オポチュニティーを駆動 NASAとJAXAが認めた現時点での最高峰の技術力
同社はトータル・モーション・コントロールの更なる高度化を目指す技術集団。宇宙衛星の太陽電池パネルの位置・姿勢制御でも活躍。NASA・JAXAが共に認める、現時点で・世界最高峰のモーション・コントロールの技術力を持つ。同社開発の小型指ロボットが1秒間に4m落下するボールを指先で摘む瞬間は、人間の目に見えない超高速度(0.01秒以下)動作。同社の技術は、独カールツアイスの脳外科手術システムにも採用されている。
- 5月18日(金)
- 『意識下と無意識下の世界で働くAIを求めて』
- (株)ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン シニア・チーフ・エンジニア 重見聡史 氏
ASIMO
人と共存する機械の実現を求め、意識下と無意識下で働くAIを求めている。生物は殆ど無意識の世界でセンシングし、行動しているのだという。一々論理の世界に置き換えて昆虫や魚などは考え、行動しているのではないのだそうだ。ここに今日のAIの大きな問題があるかも知れない。今までのホンダでのロボット研究をご紹介いただき、今後、人と共存する機械の実現を目指して、そのような無意識下の世界にも働きかけるAIを考えていこうとする試みをご紹介願う。新たな知見が生まれる可能性がある。