時代を先導する挑戦と現場に触れる
2011年11月22日(火)~23(水・祝日)
【訪問見学先】 (株)輪島屋善仁工房 塗師の家 〈 石川県・輪島市 〉 |
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『輪島塗に見る日本の形と‘ものづくり’の本質』中室勝郎氏 今回お訪ねさせていただきます輪島屋善仁は文化10年(1813年)の創業。社長の中室氏はその200年つづく塗師屋の八代目当主で、常に日本漆芸史上最高の漆器づくりを目指し、そのための最良の自家用漆材料を入手するため、平成9年、岩手県に漆器業界で初めて漆の自家植栽事業 「漆の森(今日、国内最大規模の漆の植栽林)」、今日中国にも漆の植栽林づくりに着手して、漆の自社栽培、自家精製を手掛けています。 この自社栽培・精製の漆を用いて、遂に中世の黒を超える黒を完成の域にまで到達させることが出来た、と中室社長は仰っておられます。 又、「文化を伴わない品質は本物とはいえない」 と、今日の 「ものづくり」 と文化を 結びつけることの重要性を強調し、「輪島塗が目指すところは生活芸術品でなければな らない」、「漆器は工房で完成するのではなく、長年使い込んで初めて完成の域に達する。つまり、輪島塗は完成を使い手に委ねる仕事なのだ」、「かつて輪島塗は日本人の魂の器と呼ばれたが、今はそう言われない。何故なのか」、と厳しく今日を見つめています。
平成2年、氏はこの輪島塗の原点回帰を可能とする場として、今専門家の間で日本で最も美しい町家と評価され、当時空き家で解体寸前だった明治の町屋 「塗師の家」 を私財を投げ打って復元しました。 これは、住前職後の設えと言われ、漆職人の方々が毎日仕事場に入る前に、先ずは必ず日本の美意識の限りを尽くした本物の生活文化、並々ならぬ生活の美意識が籠められた生活空間を通らなければならない、という設えを持った町屋です。これは、漆職人の文化性と美意識、教養を高めるのが狙いでした。又、昭和58年、氏は 「意匠は思想がないと成立しない」 と日本で最初の漆芸専門のデザイン会社を創設し、材料と技と意匠を結集した史上最高の漆器づくりに邁進して来ました。 平成19年、輪島は能登半島大地震に見舞われ、未曾有の被災をしました。その最も大きな被害を受けたのが今回お訪ねする輪島屋善仁本店で、中室勝郎社長は 「輪島塗の原点は文化に支えられた品質である。ブランドは品質を中心とした文化であり、輪島塗は価格競争でなく、文化性に裏付けされた品質競争で顧客の信頼を得てきた歴史を持つ。それを実現してきたのが、全国を一軒一軒訪ね歩き、生産者と消費者を直接結びつけて来た塗師屋。そのお客様の声が輪島の品質を生み、それが産地をつくり上げてきた。輪島の震災からの復興は、その原点に立ち返る以外にない」 と指摘されておりますが、それは、今日私たちが直面している課題と無縁ではないように思います。 氏は漆の研究家としても第一人者で、輪島漆器商工業協同組合 前理事長、現相談役。重要無形文化財輪島塗保存会会員、石川県立輪島漆芸美術館副理事長を努めておられ、朝日新聞の風土コラム執筆や、NHK中部地方番組審議会副委員長として、漆文化の普及と向上に精力的な活動をされておられます。 今、われわれは、わが国の文化の根底に流れる世界観と価値観と美意識、そしてわが国ならではの‘技術力’と‘ものづくり力’を如何に今日の世界で発揚、輝かせ、グローバル・リーダーシップとグローバル競争力に結びつけるか、を問われています。 本会が、アジアなど新興経済国の台頭と変化による世界の産業構造と世界経済地図の大きな変化を引き起こしている新たなグローバル化の時代にあって、私たちの今後の方向と在り方を考えさせる、かけがえのない機会となることを確信しています。 皆様方の積極的なご参集をお待ち申し上げてやみません。 |
見学先日程【日 時】2011年11月22日(火)-23日(水・祝日)【訪問先】(株)輪島屋善仁 工房 塗師の家 石川県輪島市平成町63 TEL:0768-22-0521 (本社) 【集 合】①能登空港 1Fロビー 11時10分 ②和倉温泉 駅改札口付近 12時10分 【講 演】(株)輪島屋善仁 代表取締役社長/中室勝郎氏 【テーマ】輪島塗に見る日本の形と‘ものづくり’の本質 【コーディネーター】 (有)テクノ・ビジョン 代表、元帝人(株)取締役 相馬和彦氏 【連絡先】新経営研究会 電話:03-3265-4341 |
スケジュール
MEMOメモ: |
訪問先 地図
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