『 水素大規模貯蔵輸送技術・システムの開発、
水素サプライチェーンの実現に向けて』
岡田佳巳氏
皆様方のご参加をいただいております 「異業種・独自企業研究会」 2014年度前期例会の第5回は、来る9月4日(木)、神奈県横浜市の千代田化工建設㈱様の中央研究所と同社が世界に先駆けて実現を目指す 「ケミカルハイドライド法による大量水素サプライチェーン」の核となる最先端の水素プラントを見学させていただき、併せて、この技術の核心部分の開発に当った同社技師長・岡田佳巳氏より、「水素大規模貯蔵・輸送技術の開発-水素サプライチェーンの構築を目指して」 と題してご講演いただきます。
大型水素プラント
この技術が革新的と言われる所以は、究極のクリーンエネルギー・水素を常温・常圧、液体で、しかも安定した状態で大量貯蔵・輸送を可能にしたことによるもので、この開発には10年という年月がかかったといわれます。
従って、この液化水素の輸送は専用船を不要とし、石油や化学分野で使ってきた常温常圧の輸送船が転用可能で、同時に貯蔵タンクも既存のタンクがほとんど転用可能となるものです。
又、大量の水素を持って来ることが出来れば、CO2を発生させずに、電力、ガス、燃料電池、製鉄など、色々な分野で水素エネルギーが使えます。更に、水素があれば、逆シフト反応でCO2を化学品に変えることも可能です。
当日は、この一大プロジェクトの強力な推進者であった元同社社長 関誠夫氏のご同席をいただき、コメントをいただくと同時に、皆様方と親しく交流させていただける栄を賜ることとなりました。
なお、岡田氏は、2015年、横浜市に世界初となる水素の輸入・供給基地建設プロジェクトを担う中心で、しかもここには世界初の大型水素発電所が稼働する予定です。この水素発電は、既存の天然ガス火力発電所の設備を利用出来、しかも水素の熱量は通常ガスの2倍以上で、この千代田化工建設の発電所では水素の比率は最大7割、出力は9万キロワットで、標準家庭3万世帯分の電力をまかなえるといわれています。
千代田化工建設がこのように水素発電で先行出来るのは、水素を大量に輸送・安定供給出来る世界唯一の技術があるからで、今回の機会が低炭素・水素社会という新時代のインフラ実現への視野を拡げる、又とない機会となることを確信いたします。
皆様方の積極的なご参加を賜れましたら幸甚に存じます。
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