時代を先導する挑戦と現場に触れる

2024年度後期 第3回例会

2024年11月21日(木)

【訪問見学先】 日本電子山形(株)本社工場(山形県・天童市)
        JEOL製汎用各種電子顕微鏡・医用機器製造の専門工場
【ご講演】   日本電子(株)相談役(前代表取締役会長・元代表取締役社長)
        栗原 権右衛門 氏

『危機を脱し、JEOLを今日に導いたのは、創業者の精神とDNAだった』

 今期「異業種・独自企業研究会」第3回例会は、来たる 11月21日(木)、山形県天童市の日本電子山形(株)本社工場を見学させていただき、相談役(前代表取締役会長・元代表取締役社長) 栗原 権右衛門氏より、「危機を脱し、JEOLを今日に導いたのは、創業者の精神とDNAだった」と題してご講演いただきます。

栗原権右衛門
栗原 権右衛門氏 
石澤利浩
石澤 利浩氏 

 日本電子(株)は、戦後間もない1949年5月(第二次世界大戦における日本の敗戦:1945年8月14日)、創業者 風戸健二氏が科学技術による国の復興を志し、電子顕微鏡の開発・生産を目的として発足。今年創立75周年を迎え、今日、祖業である電子顕微鏡で技術力、売上高共に世界トップ、核磁気共鳴装置(NMR)で国内シェアをほぼ独占、その他精密理科学機器の開発、設計、製造、販売を行う日本を代表する最先端企業で、生命科学、医療、創薬他、先端科学・技術分野の研究・開発に基盤的立体生体構造・分子情報をもたらすクライオ電子顕微鏡を開発・生産出来る世界二社(日本電子と米サーモフィッシャー サイエンティフィック)の一社で、常に世界初・世界最高技術への挑戦をつづけている、日本を代表する独創的企業の一社です。又、創業当初から世界を相手として開発・事業を行っていた、「Born Global 企業」として世界に知られる企業です。

 2008年、栗原権右衛門氏が社長就任の年、リーマンショックで経営危機に直面。「野球に例えると、バッターボックスに入った途端、バットを一度も振る間もなく三振を言い渡された気分だった」と氏は当時を振り返ります。

 「赤字になった途端、金融機関などから厳しい指導を受け、翌年には円高が高まり、これも海外売上高比率の高い当社にはこたえました。
 ただ今になって思うのは、あれだけの大変な局面に直面したからこそ、抜本的な構造改革が出来たのだ思う」と、氏は当時を回顧されておられます。そして文字通り懸命の企業革新の末、2013年 3月、わが社は遂に史上最高益を実現することが出来ました。

日本電子山形 汎用電子顕微鏡
 『これは全て、創業者の精神とそのDNAを核としてきたこと。永続する企業を実現するために大切なのは、創業精神とそのDNAを守り抜くことではないか、と私は学びました。併せてつくづく学んだのは「科学に国境はない。しかし科学者、企業には祖国がある。」ということでした。』

 同社は今年 創立 75周年を迎えました。その祝賀記念式典には 2016年度ノーベル生理学・医学賞受賞者の大隅良典氏他、多くの最先端の研究・事象の解明に携わるアカデミアの方々、最先端の科学技術を開くべく挑まれている企業の経営者・幹部、また自ら今日最先端の研究・開発に取り組まれている方々など、数百名の方々がお顔を見せておれられました。

汎用電子顕微鏡最終調整工程

 ノーベル賞受賞の陰の立役者といわれ、最先端の科学技術を切り開いていくために不可欠の存在と評される日本電子(株)の理念、経営の今日の夢と挑戦、 そして、同社の独創的研究開発とその夢を実現させるための “ものづくり” の実際について忌憚なくご披瀝いただき、皆様との率直な問題意識と経験を交流し合える機会を実現したい。  そして、リーマショック克服時の栗原権右衛門氏の掛け替えなおないご経験を通して、当時のありのままのご苦闘とそこで学ばれた掛け替えのない事ごとなどを願い、今後の私たちとって掛け替えのない相互研鑽の機会とさせていただきたい、と心から願っています。

 また、電子顕微鏡ならではの、とくに同社を含めて世界で開発・生産出来るのは 2社だけという、世界最先端の電子顕微鏡、Cryo(クライオ)電子顕微鏡の概要とその最先端の技術・モノづくりについてもご披瀝いただきたく、願っています。

 なお、ご案内の通り、山形県天童市は “将棋の駒” づくりで知られ、蕎麦好きには “箱そば” で知られる蕎麦の名所、またこの度、日本電子山形様を訪問させていただく 11月は山形の有名な郷土料理 「芋煮」 と 「西洋梨 ラ・フランス」の収季節、初夏であれば 「サクランボ」、冬であれば 「蔵王の樹氷」で知られ、天童の桜の春を彩る 「人間将棋」など歴史と伝統を忍ばせる多くの 「祭」、上杉謙信を祀る「上杉神社」などでも知られるところです。

 今回は、日本のモノづくり企業の一つのお手本として日本電子への期待が益々高まっている昨今、その日本電子(株)相談役 前代表取締役会長 元代表取締役社長 栗原権右衛門氏からご講演いただき、併せて同社の汎用電子顕微鏡の生産ラインを具に拝見させていただいて、改めて日本の製造業の今後の在り方を考え合う、またとない機会とさせていただきたい、と願っています。

 皆様の積極的なご参加を心からお勧め申し上げてやみません。(新経営研究会 代表 松尾 隆)

日程・概要

【日 時】2024年11月21日(木)
     13:00-18:00
【訪問先】日本電子山形(株)
     本社工場(山形県・天童市)
     山形県天童市大字山口字大仏1655番地
【集 合】「天童駅」12:30
      ※お集まり次第出発いたします
      ※昼食はお済ませの上お越しください
     チャーターバス停車場所は後日ご案内します
【講 演】 日本電子(株)
      相談役(前代表取締役会長•元代表取締役社長)
      栗原 権右衛門 氏
【チェアマン】
      鈴木 一義 氏
      国立科学博物館 名誉研究員
      前 同国立科学博物館 産業技術史資料情報センター長
      経済産業省「ものづくり日本大賞」選考委員
      経済産業省「ロボット大賞」選考委員
      世界文化遺産特別委員会 委員
【諸経費】 バス代:3,000円(税込)★★
      ※バス内にて申し受けます
【締 切】 2024年11月5日(月)
【連絡先】 新経営研究会 担当:田中
      TEL: 03(3265)4341
  

スケジュール

  • 12:20 JR「天童駅」山形新幹線 集合
         ※乗車時間約15分★★ 
  • 13:00 ご挨拶、会社紹介
  • 13:25 概要説明・第1研究所見学
  • 14:35 講演・Q&A
  • 15:45 工場見学
  • 17:00 ライトパーティー
  • 18:00 バス出発(天童駅へ)
  • 18:30頃 天童駅着

訪問先 地図



「イノベーションフォーラム」「異業種・独自企業研究会」の歴史と背景

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