挑戦者本人が語る「明日の技術・製品開発と独自の企業価値創出研究会」
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2012年4月24日(火)
東京大学 先端科学技術研究センター 教授 ナノエレクトロニクス連携研究センター長 荒川泰彦氏 |
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『量子ドットの世界が開く今後の新たな世界、日本の可能性』 皆様のご参加をいただいております2012年度前期「イノベーションフォーラム21」のオープニングは、来る 4月24日(火)東京大学先端科学技術研究センター教授、生産技術研究所教授、ナノエレクトロニクス連携研究センター長の荒川泰彦氏をお招きし、下記によりご案内申し上げます。
荒川泰彦氏 ご案内の通り、氏は「量子ドット」というこれまでになかった原子の新構造を提唱し、半導体ナノ技術やナノデバイスの研究で世界をリードする、この分野を切り開いたパイオニアです。これにより、氏は江崎玲於奈賞、IEEE William Streifer賞などをはじめ、世界の多くの賞を受賞しています。これはナノテクノロジーを駆使して、電子の動きを自由に制御する 「量子ドット」という新構造を提案するもので、氏が約10ナノメーターの3時元空間に電子を閉じ込めた人工原子状態をつくり出す「量子ドット」という新しい発想を打ち上げたのは1982年でした。 しかし、氏によれば、当初は学会からも「3次元方向での電子状態の制御は本当に可能なのか」、「そもそも3次元の超微小構造をどうつくり上げるのか」、「例え構造ができたとしても、安定性は保てるのか」などなど、「量子ドット」の構造は疑いの目で見られていたということです。 LSIの世界では電子を「粒」として考えていますが、これが実現するとナノ構造の世界では電子の「波」の性質が見えてきます。これを応用すると、半導体、レーザー、光素子、量子コンピュータ等に応用できます。 ところが、1990年に入って「量子ドット」の作製が可能になって電子を自由にハンドリングすることが可能になり、さらに、「量子ドット」に閉じ込められた多数の電子のエネルギーが同一発光することで、高性能な半導体レーザーを作ることができるようになって、ブロードバンドの高性能超高速光源としての利用や量子力学の原理を用いた通信やコンピューターのための新しいデバイスの開発など、「量子ドット」の概念は今後広く社会に寄与すると氏は確言し、現在、15年後に今のスーパーコンピュータを手のひらサイズで実現するための科学技術基盤の確立に邁進すると同時に、富士通と三井ベンチャーキャピタルが出資したベンチャー企業で、2年後を目指して量子ドットレーザーの事業化を計画しています。氏によれば、この2〜3年間で光ローカルエリア・ネットワークで用いられる半導体レーザーは、全て「量子ドット」レーザーに置き換えられるだろうということです。 又、氏は現在、「量子ドット」が実現する変換効率75%という、究極のポストシリコン超高効率太陽電池の開発を目指しており、現在、シャープとの研究開発を進めています。日本の世界におけるリーダーシップと競争力が、今、グローバル規模でその相対的な低下を危惧され、その再構築が強く求められている今日、荒川泰彦氏をコアに推進されている日本発の「量子ドット」研究開発の目標と達成状況をご披瀝いただき、日本の今後の可能性と世界貢献への新たな道を考えて参りたいと願っています。 皆様方の積極的なご参加をお待ちいたしております。 |
日程・会場【日時】 2012年4月24日(火)13 : 30-17 : 00【会場】 東京理科大学 森戸記念館 1階 第2フォーラム 東京都新宿区神楽坂 4 - 2 - 2 Tel. 03 - 5225 - 1033 【講師】 東京大学 東京大学 先端科学技術研究センター 教授 生産技術研究所教授 ナノエレクトロニクス連携研究センター長 荒川泰彦氏 【コーディネーター】 放送大学 名誉教授 森谷正規氏 |
スケジュール
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会 場