明日の技術・製品・事業開発と独自の企業価値創出研究会
2015年後期スケジュール
- 11/27(金)
- 『世界最高速革新的プラスチック光ファイバー
の開発と、新たなイノベーションの創出 』 - 慶応義塾大学 理工学部物理情報工学科 教授 小池 康博 氏
- 超高速プラスチック
光ファイバー
光学ポリマーは次世代フォトニクス分野には不向きと思われていた時代、私は、高速プラスチック光ファイバーの研究で岐路に立っていた。その答はアインシュタインなどの光と物質の本質まで遡ったところにあった。それから数十年、フォトニクスポリマーが誕生した。私は物事の本質に戻ることの大切さを学んだ。大きな産業の幕開けは、材料の機能がシステムを根こそぎ変えることで生まれた。そこには時代を創ってきた人々の不屈の精神と信念が垣間見られる。ここでは、イノベーションの重要性について述べたい。(小池康博)
- 12/14(月)
- 『ダントツの強みを磨け~企業と国の構造改革~』
- コマツ 相談役 坂根 正弘 氏
1963年、ブルドーザーの設計者として小松製作所に入社。2001年、創立以来初の赤字という厳しい時期に社長に就任するも、構造改革を断行してV字回復を達成。2009年、米ハーバードビジネスレビューでは「在任中に実績をあげたCEOトップ100」において日本人最高位の17位に選ばれた。同氏は「コマツは日本の縮図」であるとして、戦後の歩みとコマツを重ね合わせ、この国は根拠なき自信喪失から脱却し、強みを磨くことに注力すべきだと主張する。「まち・ひと・しごと創生会議」などで、有識者議員として活躍する同氏が、企業と国の改革について問いかける。
- 1/20(水)
- 『世界最高効率ガス複合発電機の開発、GEを制した熾烈な世界競争の経緯』
- 三菱重工業(株) 特別顧問・前代表取締役副社長 福江 一郎 氏
- 501J形ガスタービン
これは、三菱重工業が25年の歳月をかけ、石炭から出るCO2や大気汚染物質の排出量を抑制でき、石油依存度の低減につながる新エネルギー技術として世界の注目を集め、世界で唯一、開発に成功した“世界最高効率を達成した石炭ガス化複合発電機(IGCC)の苦難の開発と事業化、GEとの熾烈な競争に打ち勝った軌跡”。次の時代を牽引する、日本ならではの可能性を考えたい。氏は、このプロジェクト推進を統括した中心。
- 2/9(火)
- 『ゼオンナノテクノロジーの創立と事業構想』
- ゼオンナノテクノロジー(株) 代表取締役社長 荒川 公平 氏
- 産総研に建設された
実証プラント
国プロ事業化の第1号。日本ゼオンが産総研開発のスーパーグロース法を用い、これまで量産困難が通説の単層CNTの事業化に着手。量産工場を立ち上げた。無機材料と無縁だった同社がナノテク最先端のCNTに進出したのは、同社特別経営技監 荒川公平氏の存在。氏は曾て日機装でCNT製造の基本特許取得の中心だった人。その氏に産総研が実用化開発を打診したのが始り。今回はこれ迄に至る経緯と今後の具体的経営の見通しを伺う。
- 3/28(月)
- 『 “魂動 - Soul of Motion - ”スカイアクティブのデザイン開発』
- マツダ(株) 執行役員デザイン本部長 前田 育男 氏
- Mazda MX-5
前回、スカイアクティブの生みの親でその統括プロデューサー 藤原清志氏、前々回にその画期的エンジンの開発リーダー人見光夫氏をお招きしたが、今回は前田育男デザイン本部長をお招きし、スカイアクティブ・デザインへの熱い思いとその軌跡を伺う。氏は、チーフデザイナーとしてRX-8などを手がけ、デザイン本部長としてCX-5などデザインを担当。氏のデザインコンセプト“魂動-Soul of Motin”は、生きているものだけが持つ豊かな表情や力強い生命力を感じられる車。その熱い思いとデザインプロセスを伺う。
- 4/21(木)
- 『 ナノマシンによる未来の医療はすぐそこに 』
- (公財)川崎市産業振興財団 センター長 東京大学大学院 工学系研究科/医学系研究科 教授 片岡一則 氏
氏は昨年、光に反応して目的の遺伝子をガンへ届ける光応答性ナノマシンの構築に成功。「私達はナノテクを駆使し、薬を必要箇所に、必要な時、必要量を機能させるシステム研究を行っている。これは全身の血流を巡る薬を目標部位の目的細胞のみに集積、機能させることで、私の高校時代、NASAが人類を月に送り込むことに成功し、その時の興奮を私は今でも鮮明に憶えている。人体という小宇宙の中で、数々のハードルを乗り越え、目的の細胞まで薬を届ける「ナノマシン」、この人体へのアポロ計画の取り組みをお話ししたい。」