挑戦者本人が語る「明日の技術・製品開発と独自の企業価値創出研究会」

最近のプログラム

2022年5月13日(金)

会場・オンライン併催

(株)ホンダ・レーシング HRD Sakura エグゼクティブチーフエンジニア 角田 哲史氏

『後世に伝えたいホンダF1パワーユニット開発への挑戦』

角田 哲史 氏

 「イノベーションフォーラム」2021年度後期第4回は、『後世に伝えたい、ホンダF1最後の戦い。2021年12月、苦節30年、奇跡の世界チャンピオン奪回を果たした「ホンダF1パワーユニット開発への挑戦」』と題して(株)ホンダ・レーシング HRD Sakura エグゼクティブチーフエンジニア 角田哲史氏よりご講演いただきます。

 昨年、2021年12月13日、2021年のF1最終戦(第22戦)アブダビGPでホンダ(Red Bull Racing Honda)は30年ぶりに総合優勝を果たしました。ホンダF1の総合優勝は1991年のアイルトン・セナ以来、30年ぶりの栄冠でした。

 ホンダは咋シーズンでF1撤退。そのF1撤退の年、ホンダはその集大成とも言える渾身の新型パワーユニットを開発して投入。遂に世界チャンピオンの座を奪回したのでした。その開発総責任者浅木泰昭氏は、「現代のレギュレーションでは、曾てホンダが得意とした高回転・高出力型パワーユニットだけでは意味をなさず、“効率こそ全て”になった」いいます。

ホンダ出場の F1 レース (写真提供:㈱ホンダ・レーシング)

 「“どん底状態”から年間タイトルを狙えるポジションに来れたのは、2018年、高効率新燃焼のコンセプトを探り当て、その燃焼に耐えるピストンを開発、Honda Jetの高度シミュレーション技術の採用があった。エンジン屋の限界を超えたと言われる超高効率F1用ターボはこうして生れた」といいます。その開発の中心にあったのが今回ご講演願う角田哲史氏です。

 クルマの性格にぴったり合うエンジンをつくることの重要性は今に始まったことではないが、クルマの技術の多様化が進んでいる今日においては、最適設計の重要性は以前にも増して高まっている、といいます。

 「シミュレーション技術の進化によって、エンジン開発のプロセスは以前とは比較にならないくらい効率化されている。しかし、コンピュータは設計思想まで考えてくれるわけではない。クルマによってはパワーより軽さ、小ささ、安さを追求したエンジンにした方が、トータルでよりよいパフォーマンスを得ることもある。エンジンづくりの決め手となるのはエンジニアの感性と情熱。極めて人間的な仕事なんだ」と角田氏は言います。

ホンダF1パワーユニット

 1988年にホンダエンジンを搭載したマクラーレンが16戦中15勝し、アイルトン・セナがドライバーズ・タイトルを獲得しました。さらに1989年にはマクラーレンのアラン・プロストが、1990年にはセナが再びチャンピオンに輝くなど、その当時ホンダのエンジンが最も高性能で、コンストラクターは6年連続、ドライバーは5年連続でホンダエンジン搭載車が獲得したことから、「ホンダエンジンなくしては総合優勝を狙えない」とまで言われていました。

 ところが1994年5月1日、アイルトン・セナはイタリアで行われたサンマリノグランプリでの決勝レースで首位を走行中、コンクリートバリアに高速で激突して死亡。世界に衝撃が走りました。

 以後、ホンダのF1優勝は昨年12月にまで遠ざかることなってしまいます。2009年以降、ホンダはF1レースから撤退。2015年からパワーユニット・サプライヤーとしてマクラーレン・ホンダでF1に復帰。

 しかしマクラーレンからは「ホンダでは勝てない」と言われ、その後、ホンダを信じるレッドブル・レーシングに拾われて以来快進撃を続けていたホンダのパワーユニットが、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて経営資源を集中させるため、2021年シーズン限りでホンダはF1撤退を表明していたその年、最終戦で大逆転による30年ぶりの総合優勝を果すというドラマを見せたのでした。

 ここには極めてドラマチックな、しかし改めて原点と本質に立ち返って技術開発と経営について深く考えさせる問題が横たわっています。

 万障お繰り合わせの上、皆様の積極的なご参加を願ってやみません。

日程

【日 時】 2022年5月13日(金)13:30-16:45 
【会 場】 日比谷国際ビル コンファレンス スクエア
      東京都千代田区内幸町2丁目2-3
      日比谷国際ビル8階「8E」室
      電話:03-5157-5039
【アクセス】⇒ https://hibikoku.tokyo/access/
【テーマ】『後世に伝えたいホンダF1パワーユニット開発への挑戦』
【講 師】 (株)ホンダ・レーシング
      HRD Sakura エグゼクティブチーフエンジニア
      角田 哲史 氏
【チェアマン】
      (有)入交昭一郎 代表
      元本田技研工業(株) 代表取締役副社長
      元 (株)セガ・エンタープライゼス
      代表取締役社長・会長
      入交昭一郎氏
【締 切】 5月9日(月)
【事務局】 新経営研究会 担当:田中
      東京都千代田区麹町1-6-9 DIK麹町804
      TEL: 03(3265)4341

スケジュール

  • 13:30-13:35 ご挨拶
  • 13:35-14:00 自己紹介
  • 14:00-15:00 ご講演(前半)
  • 15:00-15:15 休 憩
  • 15:15-16:15 ご講演(後半) 
  • 16:15-16:045 Q&A
MEMO


会 場

日比谷国際ビル コンファレンス スクエア
東京都千代田区内幸町2丁目2-3
日比谷国際ビル8階
電話:03-5157-5039
【交通・会場までの詳細】⇒https://hibikoku.tokyo/access/

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