ー 挑戦者・当事者本人にご披歴願う、そのスタートから今日に至る生の経緯 ー
2022年後期スケジュール
- 8月4日(木)
- 『ロシア-ウクライナ戦争と日本の安全保障』
- 東京大学 先端科学技術研究センター専任講師 小泉 悠 氏
破壊されるウクライナ市街
氏はロシアの軍事・安全保障政策を専門とする、今、最も知られる研究者のおひとり。 2009年 外務省国際情報統括官組織専門分析員、2010年 ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所 客員研究員、2011年 未来工学研究所員、2019年 東京大学先端科学技術研究センター 特任助教、2022年 同専任講師。2018年最優秀新人論文賞、2019年 サントリー学芸賞 受賞。著書に『現代ロシアの軍事戦略』 (2021 ちくま新書8万部超)。主著 『軍事大国ロシア』(2016 作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ “強国”ロシア』 (東京堂出版 2016)。
- 8月31日(水)
- 『科学技術立国を支えて・・・、70年目の事業構造革新』
- 日本電子(株)代表取締役会長兼取締役会議長 栗原 権右衛門 氏
2019年(令和元年)5月、JST.東大.JEOLは88年の常識を覆す画期的電子顕微鏡を開発 (磁性材原子が直接見える)
氏は今日最も高い企業理念と経営力を持つ経営者と評価されるお一人。同社は1949年、ボーン・グローバル企業として設立され、生体分子を構造解析するクライオ電子顕微鏡を製造する世界2社の一社。技術力・世界シェア共にトップの透過電子顕微鏡、理化学機器メーカー。2019年、「70年目の転進」を発表。 アカデミアで培った技術・ノウハウを、今後、医療機器、半導体関連、産業機器など、より大きな市場展開を目指す。2008年、氏は社長就任3ヶ月後リーマンショック遭遇。経営危機に立つ。企業革新を断行し続け、2013年、史上最高益実現。企業再建を果した。
- 9月15日(木)
- 『表の中立、裏の同盟:スウェーデンのNATO加入と今後の世界展望』
- 立教大学 法学部兼任講師 清水 謙 氏
- スウェーデン研究の第一人者、スウェーデン大使館賞受賞
写真提供:清水謙氏
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、世界の安全保障環境は大きく変わった。北欧スウェーデンも例外でない。200年近く「中立」或いは「軍事的非同盟」を貫いてきたスウェーデンは、大きく舵を切ってNATO加入へと動き出した。しかし、「中立」であったにもかかわらず、スウェーデンとNATOとの関係は長くて深い。そこで冷戦期に確立していった防衛戦略とNATOとの連携から、冷戦をしたたかに生き延びようとしてきたスウェーデンの姿を見ていく。その上で、スウェーデンのNATO加入によって北欧地域の安全保障はどのように変化するのか、さらには日本をはじめとする東アジアや世界へいかなる影響を与えるのかを考える。
- 10月27日(木)
- 『オムロンが目指す"両利き"の経営』
- オムロン(株)代表取締役 執行役員専務 CTO宮田 喜一郎 氏
オムロンが目指す「人と機械の融和」を実現するコア技術「センシング &コントロール+Think」の進化を紹介するロボット7代目「フォルフェウス」
(写真:オムロン㈱提供)
オムロンは「社会に実装するソーシャルニーズの創造」を理念に新たな事業を創造し続け、現在60のベンチャー集合体的企業。AI・ロボティクスなど革新技術と急速な社会変化を成長機会と捉え、2015年にCTOを設置。以来、新規事業開発組織「イノベーション推進本部」と革新技術開発組織 「オムロンサイニックエックス」、スタートアップへの投資・支援を通じたオープンイノベーション組織を立ち上げ、イノベーションの創造に邁進してきた。今回、① 「新規事業を継続的に生み続ける事業創造プロセス ② 「人と機械の協働・融和を実現するセンシング&コントロール+Thinkの技術革新」③ 「世界のスタートアップと共創するオムロンベンチャーズの投資・共創戦略」の3部構成でオムロンのイノベーションの取組みをご紹介する。
- 11月11日(金)
- 『ダイキン工業の競争力の源泉と継続 』
- (株)ダイキン工業常務執行役員 テクノロジー・イノベーションセンター長 米田 裕二 氏
テクノロジー・
イノベーションセンター
ダイキン工業テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)の設立は2015年。「変化の激しい今日、技術競争で勝ち続けていく以外に生き続けていくのは不可能」の意識は当然あった。しかし「今日の時代変化を今後わが社の最大の発展のチャンスと捉えたい」という思いがより強かったという。得意分野である「モノづくり」に加え、①カーボンニュートラルへの挑戦、②顧客とつながるソリューション事業の推進、③空気価値の創造など、顧客や社会に新しい価値を提供していく「ことづくり」への挑戦と成果に結びつけるプロセスについてご紹介願い、同社競争力の原点に触れる。
- 12月16日(金)
- 『サイバーセキュリティ研究開発の最前線』
- 国立研究開発法人 情報通信研究機構サイバーセキュリティー研究所 所長 盛合 志帆 氏
サイバー攻撃リアルタイム大規模観測・分析システムNICTER 日本の超SF なサイバー攻撃警告システムDEDALUS
サイバーリスクへの備えは今や世界の最重要課題の一つ。セキュリティインシデントに拠る被害を最小に抑える備えから、中長期の技術動向まで視野に入れたサイバーセキュリティガバナンスが求められている。サイバーセキュリティー研究所は、巧妙複雑化する今日のサイバー攻撃からわが国を守り、サイバーセキュリティ研究の頂点を極めようとしているわが国の中心拠点。このサイバーセキュリティ研究所発、SF世界を彷彿とさせる「サイバー攻撃3Dグラフィック・アラートシステム“DAEDALUS”」が今世界の注目を集めている。氏はこのサイバーセキュリティ研究の第一人者。(写真:NICT提供)