プリウスⅡの開発と新たな試み
トヨタ自動車㈱ 車両技術本部 先行車両企画部 主査 井上雅央氏 2004年4月20日
井上雅央氏
開発コンセプト/ドライブが気持ちよく、世界一の環境性能を持つ車
チャレンジした4つの革新
1・動力・運動性能の革新
○ハイブリッド・シナジードライブ
○軽量化と低重心、電子制御で挑んだ車の走行安定性能の向上
2・スタイリングとパッケージの革新
○空力に優れ、10年は古くならないシンプルなデザイン
○カローラ並の全長で、カムリ、ウインダム並の室内容量
3・ヒューマン │ マシン・インターフェースにおける様々な革新
○ユニバーサルデザイン
○世界初の電動インバーターエアコン
4・環境性能の更なる革新
常に車と共にあったわが人生
小学校4年生で覚えた車の運転、5年生のときに自作した電気自動車
いつも頭の中は車で一杯だった中高生時代からトヨタ入社後の青春時代
並外れた車好きということがプリウス担当に呼ばれた原因?
プリウスⅡ 誕生の経緯
私の使命はプリウスを何としても普及出来る商品として完成させること
決めるのはお前だ、困ったことがあったら言ってこい
売ろうとしている人間が分かってないんじゃないか!(豊田章一郎名誉会長)
トップの強い指示で達成した2年前倒しの原価低減
最後の一筆が大切、体感上の性能を向上させる
ニューヨーク・オートショーで実現したインパクトあるプリウスⅡの発表
2003年NYオートショーに出展のプリウスⅡ
プリウスⅡに寄せる章一郎名誉会長、張社長の熱い思い
発売2カ月後には、半年以上待っていただく状況に
私の職歴
ボディ設計で長い経験を積んで
Q&A
2分の1にコストダウン出来たプリウスⅡのハイブリッド
システム
プリウスⅠから考えていたバッテリーのリサイクル
GMは独自路線、フォード・日産とは提携が進んでいるハイブリッドシステム
専門化の進展で全体を見通し難くくなってきた今日のチーフエンジニア
目前の仕事が優先され、人を育てる観点で仕事が与えられない今日の風潮
歴史と風土、文化的バックグラウンドと車の個性
長い歴史と風土の中で育ってきたヨーロッパ車の味の卓越さ
日本独自の味と言われる車を生み出せないか
ヨーロッパにも見えて来ているハイブリッド車の可能性
未来を感じさせるフレーバーを人と車の接点で感じさせる
名誉会長が言いたかったのは、地に足がついた感覚を持てということ
環境+燃費+αの魅力をハイブリッドカーに
残念だった消化不良を残した外観のアピアランス
ヨーロッパ車にはなぜ何年経っても飽きない車が多いのか
bBで、トヨタはワクワクする車づくりへの風土改革に踏み切った
プリウスは期待通り、メインターゲットにしたユーザーに売れたか
車の成功要因はやっぱりデザインと値段