第1章

テーピング方式にこだわった電子部品自動実装機の開発
   私の歩んだ“ものづくり経営”

元松下電器産業(株)(現パナソニック)代表取締役常務
元松下電子工業(株) 代表取締役社長 森 和弘氏 2015年4月22日


森 和弘氏
はじめに

松下における実装機取り組みの背景

 当時の自動電子部品挿入機の状況

 松下における電子部品挿入機黎明期

 コンデンサー自動挿入機の開発に取り組むも大苦戦


実装機に出合うまで

入社

現場で学んだ2年間

初の自分のテーマ…高速ロータリー衝撃押出プレスの開発

クランクロール機構の考案

生まれて初めて設計した機械のスイッチを入れた時の興奮

-世界初の高速ロータリー衝撃抽出プレスの開発に繋がる-

突然の春の嵐-既(すんで)の所で設計から外される


テーピングにこだわり続けた実装機開発の10年

組合が縁の挿入機との出合い

私の実装機人生のスタート

-コンデンサー挿入機開発プロジェクトの後始末-

馬糞紙はがしから始まる新たな取組み

失敗は許されない開発

信頼する部下たちの奮闘が実って誕生した、世界初のラジアル部品挿入機

神風が吹き、白紙の注文書が舞い込む

-腹をくくって決断してくれた森田研究所長代行と生産技術担当金子部長の支援-

危機に備えて隠し資産づくり

空前の大ヒットとなったパナサートAHの開発

制御グループが成し遂げた、日本初のマイコンによる生産設備制御

徹底した共用化とビルドブロック設計

-開発の成功は殆ど、成長していた部下たちによる成果-

最後の設計となった快心作 カッターユニット

ジュータン敷で迎えられた実装ライン

2度目の大河内賞受賞

外販への周囲の批判に対する幸之助会長の判断

-森田研究所長代行 幸之助会長に直訴-


PAL計画

特許問題で開発中断

食堂のソファーに寝泊りしながら1号機のメンテ


挿入から面実装の時代へ

チップ装着機の開発

 社長金賞のループフィーダーと優劣を競う

 チップ装着機もテーピング方式を貫く

 チップの三大論争(戦争)

 テーピングに対する疑問続出

テーピング特許の無償公開

今日でも品質と生産性の向上に寄与するテーピング・メソッド


技術者から管理者へ
-経営を学び、面白さを知った試作工場長時代-

゛帰れ゛コールを浴びた歓迎会

みんなで金を生み出す高生産性の試作工場に挑戦しよう!


設計の将来に不安を感じた技術部長時代

設計でドラフターを復活 ー ものづくりの原点回帰を狙う


携帯電話に夢を感じた研究所長時代

携帯端末に見た、近い将来の松下の主力の座

回路研を活気ある最新情報と出会う場に


門真のフセインと呼ばれた生産技術本部長時代

自分の日の設定とモノづくり方針

部課長からパソコン撤収 ー 現場との接触の回復が狙い

全部課長400人を一ヶ月停職 ー 現場で果していた実態を直視させる

仕事をし易くする環境づくり


予感 テレビ事業の衰退

デジタル技術が持っていた怖い一面

聴く耳を持たれなかったテレビ事業衰退への警告

-予感された携帯端末時代の到来-


決断を迫られた松下電子工業社長時代

日本企業で最初のDRAM撤退を決断

フラットCRTでテレビ事業部と対立


松下電子 本社に吸収、代取常務で本社に戻る

松下を去る

終章

重要な、時代とその本質を見抜く洞察力

人物と人材


第2章

世界に先駆けた複写機のデジタル化、新時代に向けた“ものづくり経営” 革新

(株)リコー 代表取締役会長 執行役員 近藤史朗氏 2013年3月29日


近藤史郎氏
はじめに

リコーの概要

設立

本社と開発拠点

企業規模

グループ数と売上高

地域別売上

 営業利益

主な商品とサービス構成

リコーの歩み

 創業 理化学研究所から生まれたベンチャー企業

リーマン・ショック、大震災、超円高、相次ぐ逆風の経営環境の中で

経営危機が契機となったイノベーション


モノ+ コトのイノベーション

新しい変革の波

急速に進む価値基準の変化、生き残りをかけたビジネスモデルの転換

コミュニケーションしながら動いていく時代

「モノ+コト」ビジネスへの転換事例

 -アップルの「モノ+コト」ビジネスモデル-

GEのジェット機エンジン

コマツとリコーのリアルタイム・ネット管理

日立の英国鉄道インフラ・ビジネス

技術、プロセス、コンセプトの連携


リコーの挑戦

イノベーションのジレンマ

imagio MF200

大企業病

リコーのモノ+ コト事業

リコーのビジネス

これから伸ばしたい市場について

未来を見据えた「モノ+ コト」の新しい事業展開

新しい事業展開を阻む大企業病

大企業病の発症をどう感知するか

古いビジネス書籍から受けた啓発

リコー内部の大改革


Imagine. Change.

ワークスタイル変革への取り組み

  ペーパーレス・コミュニケーションとどこでもオフィス

  デジタル化とその課題

2つのフロンティア開拓

成長を続けるために大切なこと

  多様なリーダーの活躍が必要

未来をどういう基準で発想するか、常に求められてきた社長時代

imagine. change


未来を設計する
-未来起点で想像し、今を変革する-

「未来を設計する」という考え方は、製品開発の時代から

苦境の中でのデジタル化転換︱売上1兆円から2兆円へ

 業績悪化に直面

 ファクシミリから複写機への異動

 大ヒット商品・デジタル複合機 “imagio MF200” の誕生

 VAの断行

 反対を乗り越えて、省スペースのデジタル複合機の開発へ

  デジタル複合機の成功

アナログ機器の全廃、一気に世界のトップグループへ

挑戦者・ニッチャーのリコーから業界リーダーのリコーへ

 一気に駆け抜けたデジタル商品開発


グローバル戦略

グローバル販売網の強化

デジタル化の限界

急増する試作機

作らずに創る!

-リコーの設計プロセス改革-

  求められた新しい開発方式とシステム、マネジメント

  試作からシミュレーションによる開発へ

  -設計開発から一発で量産を立ち上げよう-

  「作らずに創る」を実現するために徹底した5つの軸

  設計開発のプロセス改革-プラットフォームづくりとモジュール化

時空を超えて衆知を結集させる“ものづくりシステム”の構築

品質管理と品質工学


テクノロジーは時空を超えて

新しいイノベーションの担い手

テクノロジーは時空を超えて

 野中郁次郎先生のSECIモデル

 知識創造ツールの開発・提供を目指すリコーに


重要な人材育成

ガキ大将タイプの技術者


リコーの環境経営と生物多様性保存への試み

Never give up until You win

最後に ―― 私について

Q&A

中国進出とリコー

デジタル化一本になったときのアナログ勢力の心のやり場

似たような業態の寡占化で失われかねないコアコンピタンスをどう高めていくか

スマートフォンが普及型デジタルカメラに与える影響

イノベーションを起す人材をどう育成し、生かしていくか

独創性、イノベーションはいかにして生まれるか

イノベーションを起したい人間をどう育てるか

自主性・自発性をどこまで認められるか、これが組織・企業力の命

教育の奥義はいきなり任せて放り出し、自ら考えさせて行動させる

改革への弛まぬ志と継承者の輩出が願い


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