第1章

西岡常一氏 法隆寺・薬師寺棟梁

飛鳥・白鳳の工人の魂と知恵

元 法隆寺宮大工棟梁 西岡常一

インタビュー 松尾 隆
新経営研究会代表、東京理科大学MOT 大学院客員教授


薬師寺西塔再建四方山話

鉄より永い檜の命

飛鳥・白鳳の和鉄と和釘

取り戻したい飛鳥・白鳳人の魂と知恵



薬師寺東塔





薬師寺金堂再建現場で(1971)





















第2章

高尾亮一氏

新宮殿をつくる

元宮内庁皇居造営部長


はじめに

宮内省に入る

恩師三谷隆正先生からいただいた縁

河合彌八先生に育てられる

終戦


新宮殿造営の揺籃期

宮殿再建の機運

皇居造営審議会の答申

皇居造営部長に就任

新宮殿造営の基本理念

-現代の造形精神を表現する建築であること-

基本設計から実施設計へ

 民間企業に協力を仰いだ人材派遣

昭和天皇・皇后両陛下を造営現場にご案内
する高尾亮一氏

-うんざりするような大蔵省との折衝-


日本の美意識と文化、戦後日本の国力を世界にアピールしようとした

新宮殿の造営

将来の事態に備えた設計と考案

-吹上御苑と表御座所-

執念で確保した国産の良材、アピールしたかった
  日本ならではの木への美意識

 木曽からハンギングで切り出した檜

 九州人吉の樹齢800年の杉

 木の香り、人の手の“ぬくもり”を残す職人の手技

“洗練さ”と“格式”を最終的に決定してしまう人と
 ものの動線

 儀式

 長和殿

 食堂と休所、厨房

中庭

プレハブ式舞楽台と音響装置

自ら据えた南庭の石

長和殿南溜前景、東山魁夷の「朝明けの潮」と
多田美波氏作の淡い藤色の大シャンデリア

新宮殿の耐震性と基

正殿の緑青吹き銅葺き大屋根

雨樋と竪樋

破れない明かりとり障子の開発

集成材の使用と樹齢800年の化粧材

宮殿造営で重視したスタデイ模

現代日本が到達した最高水準の美術・工芸を示す

東山魁夷氏の朝明けの潮

匿名で収められている現代日本の最高水準の美術・工芸


新宮殿造営と陛下

現場第一

現場第一の土台は健康

親身になる、人を信用する


終章

第3章

田辺 潔氏

東京スカイツリーの建設

(株)大林組 東京本店 建築事業部 生産技術部長 田辺 潔氏


東京スカイツリーのアウトライン

建設地 業平橋押上地区の特色

建設地選定の経緯

すべて形の違う部材を使って三角形から円にタワーを組み上げ

世界一の高さ、東京タワーより小さい塔状比を支えるナックル・ウォール

初の試み 心柱制振構造


場所決定から着工へ
 

設計段階から施工者がパートナーとして関わること

ギリギリまで難航した設計と施工との折り合い


未知の高さへの技術的挑戦

スカイツリーで大林組が担った責任と役割、革新的挑戦

 部材の細部設計、施工上の付帯的工夫

 十九工場に生産依頼した鋼管の品質管理と失敗の許されなかった溶接

 -非常に高かったモチベーション-

 3.11で命を救ったタワークレーンに入れたダンパー

 タワークレーンでの吊り荷の動きを制御するスカイジャスター

 GPSを利用した三次元計測での精度管理◎

 巾4m 、厚み1.2m 、50m まで打ち込んだナックル・ウォール

 -4000トンの載荷試験、ナックルが効く独自技術-

 手狭になった建設用地に構築した立体的物流システム

 安全がすべてを制する

ゲイン塔の施工

 高所作業を避けるために実現したゲイン塔のリフトアップ

 スリップフォームによる心柱施工でゲインのリフトアップを実現する

 ゲイン塔を地組みして吊り上げる

 ゲイン塔を揚げると回転する!

 半年で出来た三七五メートルの心柱


建設中にも関わらず、東日本大地震に耐えた

Q&A

フライホイールは、準備はしてい

全日本のトップの溶接工六十人を集めた

地震は鉄骨で保ち、心柱は揺れが大きすぎるのを防ぐため

日本のシビアな技術を海外に持っていく必要があるのか

課題毎にワーキングチームを作って、それぞれに解決してい

法律には頼らず、自分たちで地震への対応を考える

本質から考えないといけないのが、一番の勉強になった

大林組がなくなるほどのリスクをかけてチャレンジした


まとめ 

放送大学名誉教授 森谷正規


西岡常一棟梁と飛鳥・白鳳の工人の魂と知恵

高尾亮一氏による新宮殿をつくる

東京スカイツリーの建設

ページトップ