10/31(木)
【訪問見学先】味の素(株) バイオ・ファイン研究所(神奈川県・川崎市)【ご講演者】味の素(株) 取締役 代表執行役 副社長 白神 浩『 味の素グル ープのビジネスイノベ ーション 』
─ アミノサイエンス®による事業モデル変革から社会変革への挑戦 ─

【ご講演者】味の素(株) 取締役 代表執行役 副社長 白神 浩

  •  2024年度 後期 「異業種・独自企業研究会」の第2回 例会は、味の素(株) 代表執行役 副社長 研究開発統括 白神浩 氏より、『 味の素グループのビジネスイノベーション 』ー アミノサイエンス®による事業モデル変革から社会変革への挑戦 - と題してご講演いただき、併せてその同社の中核的研究開発拠点の一つ、「バイオファイン研究所」を見学させていただます。

    白神 浩 氏

     味の素(株)は、ご案内の通り、1908年(明治41年)、池田菊苗博士が “昆布だしの味成分” がグルタミン酸というアミノ酸の一種であることを発見してこの「うまみの元」に「味精」」と命名。さらにグルタミン酸を原料とした 「うま味調味料(味精)の製造方法を発明」。この池田菊苗博士の発見と発明、その思いに大きな感銘を受けていた当時の鈴木商店(後の味の素)二代目当主 鈴木三郎助氏は、特許共有者としてこの(味精)の事業化に自ら進んで応え、母ナカ(初代 鈴木三郎助氏の妻、創業時の中心であった方)をはじめ家族の大奮闘の許、1909年(明治42年)5月20日、これに「味の素」の商品名を与えて一般消費者に向け事業を発信させたのでした。この日を以て “味の素” 社は創業の日とし、今日にこの同社の原点を伝えています。この日から数えて、味の素社は今年、創業 115年を迎えます。

     振り返えると、今日の味の素(株)が合資会社 鈴木商店から “味の素本舗(株)鈴木商店” に社名変更したのは1932年(昭和7年)、今日の “味の素(株)” に社名変更したのは1946年(昭和21年)でした。(因みにカツオ節の “うまみの元” がイノシン酸であることを発見したのは、池田菊苗博士の高弟 小玉新太郎氏)

     「味の素グループは、1909年の創業以来100年を超えて続く志を持ち、社会価値と経済価値を共創する経営を推進してきました。2022年、“アミノサイエンスで、人・社会・地球の Well-being に貢献するという新たな志を掲げ、創業以来、アミノ酸という地球生命維持に必須の物質を基軸にした科学的アプローチ・アミノサイエンスに拘り、進化を続けることで多角化してきた事業を、今一度アミノサイエンスという原点の下で融合し、対象を“人”に加えて“社会”や”地球”まで広げたイノベーションを目指すことを宣言しました。」と、白神浩氏は述べておられます。

    CLIENT INNOVATION CENTER

     「アミノサイエンスとはアミノ酸の働きに徹底的にこだわった研究プロセスや実装化プロセスから得られる多様な素材・機能・技術・サービスの総称。また、それらを社会的課題の解決やWell-beingへの貢献につなげる、味の素グループ独自の科学的アプローチを指す。」と味の素社では述べています。

     アミノ酸は地球上の生き物すべてに必要不可欠で、人のカラダの中には約10万種類のタンパク質があると言われ、これらはすべて20種類のアミノ酸からつくられている。アミノ酸は、筋肉や骨、皮膚などカラダをつくるだけでなく、カラダの働きを維持、調節するホルモンや酵素、カラダを守る抗体、神経伝達物質などの材料でもある、と同社は紹介しています。これは他の生き物でも同じなのだそうです。

     つまり、アミノ酸は人だけでなく、地球上の生き物すべての「いのちのもと」なのです。私たちはアミノ酸を研究し、アミノ酸のはたらきに徹底的にこだわり、研究の過程で得られたもの全てを最大限に活用して持続可能な社会の実現や Well-being につなげています。 これがアミノサイエンス®︎です。

     味の素グループでは、創業以来100年を超え、事業がグローバル化するの中で “アミノ酸のはたらき” に徹底的にこだわり、企業の成長を求めるだけでなく、社会課題の解決を追求する中で事業を拡大し、グローバルに展開してきた企業です。

     そして、さらにこれらの事業を基盤に、医療や半導体市場で起こるイノベーションを先読みして、新しい事業を興し、よりよい社会の実現に貢献したいと願っておられます。

     味の素グループはこうした志と共に、味の素グループならではの価値を生み出すことが出来る4つの成長領域、
      ◎アミノサイエンスによる人の体への深い理解を通じて、治療や予防の進化、健康寿命の延伸への貢献、
       核酸医薬などバイオファーマサービス事業への展開、バイオ医薬用や再生医療用培地への傾力などヘルスケア
      ◎フード&ウェルネス
      ◎ICT(Information and Communication Technology)
      ◎グリーンによる未来創を願っている企業です。

     また、味の素グループの技術がパソコンの心臓部 CPU に絶縁材 ABF(味の素ビルドアップ・フィルム)という層間絶縁材として使われ、現在、全世界の主要パソコンのほぼ 100% のシェアを持っている事実は余り知られていないところです。

     今回は、その味の素グループの研究開発統括 代表執行役副社長 白神浩氏から、アミノサイエンスを中心とする同社グループの未来戦略をご披瀝いただき、併せて研究開発の現場を拝見させていただける、またとない機会をいただくこと出来ました。

     皆様の積極的なご参加を心からお勧め申し上げてやみません。(新経営研究会 代表 松尾 隆)

    • 当日のスケジュール

      2024年10月31日(木)13:00〜18:00
      12:55
      味の素様へ直接お越しください
      13:00
      ご挨拶
      13:05
      概要説明
      13:20
      見学
      15:00
      ご講演
      16:30
      Q&A
      17:00
      ライトパーティー
      18:00
      終了

      参加申込締切

      2024年9月18日(水)

      事務局:田中(Tel. 03-3265-4341)

    • 訪問先

      味の素株式会社 バイオ・ファイン研究所

      神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号


      交通

      JR「川崎駅」または京浜急行「京急川崎駅」より京浜急行大師線乗り換え
      2駅目「鈴木町駅」下車 正門まで徒歩0分
      ※駅からのご移動は後日ご案内します

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